| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十話 固絆その八

「このままです」
「戦っていきますか」
「そうしていきましょう」
 こう話してだった。
 征一狼はテリーヌも食べた、そしてまた言った。
「僕も出来れば天の龍も地の龍もです」
「死ぬ人は少なくですか」
「そうであって欲しいです、敵でもです」
「死なないに越したことはないですね」
「それは僕達が殺すということでもありますし」
 護刃に暗い顔になって話した。
「ですから」
「勝ってもですか」
「お互いにです」
「犠牲になる人は少ない方がですね」
「いいとです」
 その様にというのだ。
「思っています」
「そうなんですね」
「はい」 
 まさにというのだ。
「僕としましては」
「やっぱり誰も死なないとですね」
「それに越したことはないかと」
「そうですね、私も人間の世界を護りたいですが」
 それでもとだ、護刃も言った。
「命を奪うことは」
「避けたいですね」
「戦っても」
「そうですね、護る為の戦いならです」
「尚更ですね」
「出来る限りです」
 まさにというのだ。
「命はです」
「奪わない方がいいですね」
「例え敵であっても」
 地の龍であろうともというのだ。
「やはり」
「そうだな、俺もだ」
 神威も言ってきた。
「敵であっても殺す趣味はない」
「誰もですね」
「出来る限りな」
 まさにというのだ。
「戦いには勝ってもな」
「命までは奪わないで」
「やっていきたい、相手にも心があってだ」
 人間のそれがというのだ。
「そして人生もあるからな」
「誰にもそうね」 
 嵐は神威のその言葉に応えた。
「生きているのなら」
「心がありな」
「人生もあるわ」
「そうだな」
「私達もそうでね」
「地の龍の連中もだな」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「同じよ、間違いなくね」
「そうだな」
「未来を賭けて戦うにしても」 
 そうであってもというのだ。
「けれどね」
「それでもだな」
「相手も同じということはね」
「わかっておくことだな」
「私もそう思うわ」
 まさにというのだ。
「本当にね」
「そうだな、人間同士が殺し合うか」
「それが戦いよ」
「因果なものだ」
「そうね、そのうえで人間を護るのよ」
 人間同士が殺し合ったうえでというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧