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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十六話 戦士達、陣を破るのことその六

 全ての陣でそうなっていた。十絶陣の力はだ。
 押し出された。遂にそうなった。そしてだ。
 それを見た華陀はだ。意を決した顔になりだ。
 共にいる二匹の妖怪達にだ。こう言ったのだった。
「よし、今だな!」
「ええ、ダーリンそれならね」
「お願いするわよ」
「わかっている、受けろ!」
 十本の針をだ。一度に右手に持ってだ。
 構えを取りそしてだ。陣の上に押し出されたそのそれぞれの力に向かって投げたのだ。
 十本の針達は黄金の光を放ちつつ術に向かいだ。そしてだった。
 それぞれの力に突き刺さった。その瞬間だ。
「行けーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
 華陀は叫んだ。まるで針にさらに力を込める様に。それを受けたかの様に。
 力はそのままだ。敵陣の中央の本陣にだ。一気に進みだ。派手に衝撃を放った。
「やったか!」
「いえ、結界があるわ」
「それがあるから」
 怪物達が華陀に応える。見ればだ。
 実際にだ。その結果によりだ。術の衝撃は防がれていた。
 黒い、闇の衝撃に覆われた本陣の中でだ。于吉は左慈に言っていた。
「結界を張って正解でしたね」
「そうだな。十絶陣の力をそのまま受ければな」
「軍は壊滅状態に陥っていました」
「こうして結界を張って何よりだ」
「しかしです」
 だがそれでもだとだ。于吉は落ち着いた声で言った。
「この結果でもです」
「駄目だな。そろそろもたないな」
「はい、そしてです」
「衝撃が来る」
 左慈は闇のカーテンの向こうに空けて見える紅い血を見て言った。それは紅水陣の力だった。
「術の力がだ」
「やはり軍は損害を受けますね」
「一割程度か」
 左慈はその損害を述べた。
「やられるな」
「そうですね。そして衝撃は受けますから」
「そこに隙ができる」
 陣全体、彼等にそれはなくともだ。
 それができると述べてだ。それで言ったのだった。
「残念だがな」
「はい、彼等はそこに来ますね」
「さて、どういう戦いになるかだな」
「衝撃が来てそこからですね」
「敵が来る。迎え撃つぞ」
「運命の決戦です」
 こうしてだった。彼等も決戦に備えるのだった。そしてだ。
 闇の硝子の天幕はだ。次第にあちらこちらにヒビが入りだ。遂にだった。
 一つ、また一つと割れていきだ。それを合図としたかの様に。
 一気に崩れた。そしてそこにだ。
 十絶陣の衝撃が白装束の者達に襲い掛かる。それを受けてだ。
 闇の軍勢に様々な色の嵐が起こった。術の衝撃の嵐だ。それがだ。
 白装束の者達を襲い吹き飛ばし血水に変えていく。だがその中でもだ。
 数は思ったよりも減らずだ。そしてだ。
 主だった面々はだ。一人もだった。
 だがその彼等もだ。やや苦々しげに言うのだった。
「やられたもんだな」
「ええ、やっぱりね」
「完全には防げなかったわね」
 社にバイスとマチュアが言う。
「予想はしていたけれど」
「十パーセントってところかしら、損害は」
「そんなところだな。さて」
 社は立っていた。まさに仁王立ちだ。その仁王立ちでだ。
 戦場を見ていた。見れば軍全体が荒れてしまっていた。
 
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