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真恋姫を駆けた男

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手合せ

~真紅狼side~
「で、そちらの方は?」
「私は姓が荀、名は彧、字が文若と申します。軍師をやってます。」
「なるほど、俺の実力を測りに来たな?あ、曹真だ、真名は真紅狼だ。」
「ええ、仲間の実力が分からなければ、策も練れませんから。」
「丁寧な言葉は使わなくてもいいぞ?普通に喋っても構わないし。」
「・・・・そういうことよ。分かった?」
「はいよ。でだ、最初は誰だ?」
「私だ。」


と前に出てきたのは春蘭だった。


「んじゃ、やりますか。」
「・・・武器はどこにある?」
「ここにあるじゃん。」


と言ってアクセサリーを見せてやった。


「兄さん、これは?」
「アクセサリーだな。」
「なんだそれは?」
「これは、超刀のアクセサリーだな。」


腰の辺りに五つある内の一つを選んだ。


「私をバカにしてるのか?」
「一応、刃が無い武器を選んだつもりなんだけど?」
「後悔するなよ?」
「そっちがな。」
~真紅狼side out~


~春蘭side~
訓練場に集まるようにしてもらった私は真紅狼が持っていた武器に興味があった。
だが、実際に戦う武器は装飾された貴金属だった。
私をバカにしてるとしか思えない。
華琳様には悪いが、叩きのめさせて貰う。
愛用の武器、『七星餓狼』を構えた。


「双方、準備はよろしいわね?」
「おう。」
「はい。」
「では、始め!!」
~春蘭side out~


~桂花side~
二人が武器の話し合いでこの男の武器はなんと、装飾された貴金属。
この男、頭おかしいんじゃないかしら?
でも、これで華琳様はこの男を幻滅するはず!
私が手を出す必要がなくなって有難いわ。
そんなことを考えていた私だったが、この男が武器を出した瞬間、一瞬で全てが瓦解した。
~桂花side out~


~真紅狼side~
「始め!!」


開始と同時に春蘭は大振りで武器を振りまわしていた。
右へ左へと、それを軽やかに避けていく。


「くそ、ちょこまかと!!」
「大振り過ぎだから、当たるわけないだろ。」
「それなら・・・これはどうだ!!」


上から袈裟切りを避けた。が、それは計算済みだったのか地面にぶつかる前で止まり、そのまま手首を捻り、素早く振り上げてきた。


「・・! こいつは驚いた!」
「そう言っておきながらちゃんと避けてる癖に」
「だが、今のは見事だ。」
「武器も出してない奴に言われても、嬉しくはない。」
「なら、武器を出してやるよ。」


といい、俺はある武器をイメージし、叫んだ。


「『絢麗豪壮』!!」


肩に担いだ状態で出てきたのは『天運転如』だった。


「さて、お望み通り武器を出してやったぜ?」
「何だそれは?」
「コイツが俺の武器の一つ『超刀・朱槍』だ。」


皆、この武器を見て驚いている。
それはそうだ。
なんせ、コイツの特徴は人の丈よりも遥かに大きいことだった。


「あ、華琳達もうちょい下がって。」
「はい?」
「そこ当たるかもしれないから。」
「・・・この辺でいい?」
「そこから、前に出るなよ?」


ガラゴロガラ・・・


「これだぁ!!」


とおみくじを引いた。
そこには「大吉」と書かれた太い棒が出てきた。


「お、大吉だ!!」
「何か関係あるのか?」
「大吉だと、このように太さが吉よりも若干太く、敵をふっ飛ばしやすいんだよ。吉は標準的な大きさだ。そして、凶は延べ棒みたいで敵もふっ飛ばしにくいんだ。まあ、これは運が絡む武器だな。」
「そうなのか・・・それはいいとして、そんなに間合いを開けて大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題無い」
「そこからの間合いjy・・・!?」


ブンッ!


「間合いが何だって?」
「クッ!!」


春蘭は侮っていた。
真紅狼がこの武器を充分に扱えないことを。
だが、それは間違いだった。
一歩も移動せずに真紅狼の得物は春蘭を捉えていた。
春蘭は一度距離を離そうとするが、真紅狼の攻撃は止まらずそのまま追撃した。
横薙ぎに一閃した後、上から叩きつけ、そのまま右と左と掬い上げるように武器を振りまわし、最後に大きく振り降ろしていた。
一撃ごとに地形が変わるほどの地面が砕かれていく様子を見て、春蘭はだんだん焦りの表情が出てきた。


「(なんとか、懐に潜り込めれば!!)」


と思っていた矢先に真紅狼に隙が出来た。
この隙を利用して、春蘭は一気に距離を詰めたがその隙はワザと開けられたものだった。


「隙を見つけたのはいいが、残念だ。」


『押しの一手』


真紅狼は『天運転如』押すように持ち代え、逆に春蘭に突撃し勢いよく上にかち上げた。


「ぐっ!!」
「はぁ!せいっ!お終い!!」
空中に打ち上げた後、武器を右に左に振った後、地面に叩き落とした。


「ぐぁぁぁ!!」
「こんなもんかな。」


と地面に降りた俺は武器を地面に刺し、それに背を預けるようによりかかった。
~真紅狼side out~


~華琳side~
試合が始まり、最初は春蘭が押していた。
だけども、兄さんが武器を取り出した瞬間、一気に流れが変わった。
最初に私たちを驚かせたのが武器の大きさだった。
兄さんの背よりも大きい武器を軽々と振りまわしていた。
次に驚いたのが、間合いだった。
武器には各種にあった間合いが存在するが、あの武器には間合いの範囲があり得なかった。
普通の槍の長さの二倍近い間合いが兄さんの武器の間合いだった。
最後に、その威力だった。
一撃一撃が地面を砕くほどの威力。
私たちは、戦闘が終わった後には何も言えなかった。


「こんなもんかな。」


と言って兄さんは武器に寄りかかっていた。


「春蘭・・・大丈夫?」
「あ、はい。しばらくすれば立てます。」
「どうだ、俺の実力は?」
「何というか予想外です。」


桂花に至っては、「あり得ない光景を見た。」という表情をしながら、頭に手を当てていた。
桂花。わかるわ、その気持ち。


「まあ、まだ色々あるけどな。」
「・・・まだあるんですか?!」
「あと、これが四つほど」
「・・・もう何も言いません。」
~華琳side out~


~真紅狼side~
そんな風に呆れるなよ。華琳。


「ま、追々見せるさ。ところで春蘭。」
「なんだ?」
「お前の武器どこかしら調子が悪いだろ?」
「・・・気付いたのか?」
「なんというか、刃を護るような戦いをしてたし。それに秋蘭も。」
「私もですか?」
「さっき、チラッと見たんだが弓の弦、擦り切れているだろ?」
「よく分かりましたね。」
「俺が新しく新調しとこうか?形はそのままで鍛え直すと言う形で。」
「「いいんですか?」」
「構わねぇぞ?」


なにやら二人で話し合っていた。
そこに、華琳が入って来た。


「兄さん、私も鍛え直して欲しいんですが・・・」
「武器は何?」
「鎌です。」
「分かった。他に欲しいものは?」
「無いです」
「真ちゃん!私はねぇ、幅のある太刀と小太刀が欲しい!!」
「雅は一から作らなきゃダメだから、時間がかかるが構わないか?」
「いいよ」


そんな話が終わったのか二人は「「お願いします」」と言ってきた。


「他に何かいるか?」と聞いたら、春蘭は手甲を、秋蘭は胸当てを頼んできた。


「荀彧と季衣もなにか欲しい物はあるか?」
「私はいらないわ」
「ボクは手袋を」
「分かった、創っておこう。」
「動いたら、腹減ったな。メシ食いに行こうぜ、華琳。」
「そうですね、行きましょう。」
~真紅狼side out~ 
 

 
後書き
真紅狼が持つBASARA2の武将の一つ。
前田慶次の力が登場。

『天運転如』の呼び名は「てんうんころぶがごとく」です。
これから、BASARAの武将のスタイルを出すときは四文字熟語で表します。  
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