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X ーthe another storyー

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第九話 風使その十

「姉さんは」
「取り返しのつかないことになります」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「何とかね」
「この戦いで、ですね」
「動くわ、姉さんも知らないけれど」
「言ってなくですし」
「夢の中でも心に鍵をかけて」
 その様にしてというのだ。
「いつも話しているから」
「本心はですね」
「隠せないわ、夢は無意識が出るから」
 それ故にというのだ。
「姉さんに隠すこともね」
「苦労していますね」
「まして仲間でいつも会っている貴方には」
「無理だとですね」
「わかっているから」
 だからだというのだ。
「本心を話すわ」
「そうですね」
「他の地の龍には話していないけれど」
「それでもですね」
「貴方は別よ。私は本当は」
「人間や地球よりも」
「姉さんよ」
 彼女のことを考えているというのだ。
「姉さんにも話していないけれど」
「そうですね、あくまでですね」
「そうよ、けれど皆には悪いことをしているわ」
 目を顰めさせて思った。
「人間を滅ぼして地球を護ると言っていて」
「その実はですか」
「姉さんのことを考えていて」
 そうしてというのだ。
「その為に戦ってもらうのだから」
「いえ、それは」
「それは?」
「地の龍のどの人も」
「貴方を含めて七人全員がなの」
「貴女の強いお心を知れば」
 そうなればというのだ。
「必ずです」
「受け入れてくれるかしら」
「今いる人達もそうで」
「これから来る三人もなのね」
「そうです、むしろ人間を滅ぼすことよりも」
「いいというのね」
「人間が滅べば」
 その時はとだ、牙暁は話した。
「それと共に他の多くの命もです」
「滅ぶわね」
「恐竜が滅んだ時もでしたね」
「ええ、恐竜だけでなくてね」
「他の多くの命もでしたね」
「滅んだわ」
 庚は自分が知っている恐竜の歴史から話した、繁栄から突如として滅んだ彼等のそれを。
「隕石が落ちてきてだったわね」
「そう言われていますね」
「人間が滅んでも同じね」
「はい、関係のない」
 人間とは、というのだ。
「そうなります、破壊からの創造つまりです」
「地球の復活ね」
「それにはです」
「そうなるわね」
「人間だけでもです」
「辛いわね」
「多くの方に絆があるので」
 それ故にというのだ。 
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