| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十三部第三章 今だ目覚めずその五十

「アッディーン大統領らしいものでしたね」
「機を見て一気に攻める」
「機動力も活かして果敢に攻める」
「そうして勝利をもぎ取る」
「その攻撃はですね」
「アッディーン大統領らしい」
 またこう言うのだった。
「素晴らしい攻撃でしたね」
「アッディーン大統領は動く指揮官です」
「機動力を活かし果敢に攻める」
「時として敵の意表も衝きますが」
「敵の攻撃ポイントは徹底的に攻撃する」
 それがアッディーンの戦い方だというのだ。
「それは今回も同じでしたね」
「国境での戦闘でも」
「左様でしたね」
「そして今回も」
 今の戦いもというのだ。
「おそらく」
「一気に攻めるでしょうね」
「その時が来れば」
「ティムール軍がそれを防げるか」
「それが問題になりますね」
「あの謎の攻撃は置いておいて」
 今はというのだ。
「ティムール軍の防御は完璧です」
「寸分の隙もないです」
「短期間によくあれだけの防御を敷いたものです」
「難攻不落と言っていいです」
「そこまでのものです」
 文字通りのというのだ、そうしたことを話してだった。エウロパ軍の士官達はワインを飲みつつさらに話した。
 モニターを確認する、だが。
 まだオムダーマン軍は動いておらずそれで言うのだった。
「までですね」
「アッディーン大統領のあの攻撃がないですね」
「敵の前面にあえて出たりアステロイド帯も踏破する」
「そうした果敢なものがないですね」
「動きがないです」
 その驚くべきそれがというのだ。
「突破出来ないと思う場所を突破し」
「無茶ではないかという攻勢も行なう」
「かといって決して軽率ではない」
 これもアッディーンの特徴だ、補給基地を置いて戦うそれは。
「その攻撃はです」
「まだはじまらないですね」
「何時はじまるか」
「それがですね」
「待ち遠しいですね」
「今か今かと」 
 その待ち遠しさも話すのだった。
「思っていますが」
「ここは待つしかないですね」
「ですね、今は」
「仕方ないですね」
「ワインもいいですが」 
 これを飲むこともというのだ。
「あまり過ぎますと」
「酔いが回ります」
「ここは程々にして」
 ワインはというのだ。
「そしてですね」
「観戦にも影響が出る」
「肝心のそれに」
「だからですね」
「この度は」
「程々に」
 ワインはというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧