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星河の覇皇

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第八十三部第三章 今だ目覚めずその四十五

「あの謎の攻撃への不安が全軍を覆い」
「そうしてですね」
「それが守れるという自信を揺るがしている」
「そうなっていますね」
「絶対の自信があってこそだ」
 例えそれが誤っていてもとだ、艦長は自分の言葉の中にこの言葉も含めつつそのうえで艦橋の周りの者達に話した。
「それでこそ戦えるな」
「はい、勝利への絶対の自信があってこそ」
「戦争は出来ます」
「それが万全に出来ます」
「ですがそれがないなら」
「どうしても隙が生じ」
「そして士気も落ち」
 そしてというのだ。
「万全でなくなります」
「ですからこの度は」
「我が軍にとって悪いことです」
「まさに」
「そうした事態です」
「そうなっている、どうにかして勝ちたいが」
 それでもというのだ。
「果たしてどうなるか」
「不安要素を払拭出来ない」
「厄介なことですね」
「我が軍にとって」
「いよいよ戦闘がはじまりますが」
「果たしてどうなるか」
「わからないとだ」
 その様にというのだ。
「今は言うしかない」
「苦々しいことにそうですね」
「今の状況では」
「何とか勝ちたいですが」
「それでも」 
 こうした話が艦橋でされた、とにかく今のティムール軍はオムダーマン軍の謎の攻撃に不安を感じ焦燥を感じていた。
 そしてその状況はアッディーンもわかっていた、それで言うのだった。
「ティムール軍は不安を感じている」
「ならですね」
「その不安を攻める」
「そうしますね」
「城を攻めるのは下計でだ」
 旗艦アリーの艦橋においてだ、彼は幕僚達に話した。
「人を攻めるのは上計というな」
「人の心ですね」
「それを攻めることですね」
「それがよいですね」
「既に我々はティムール軍を不安に陥れている」 
 既にというのだ。
「ならだ」
「そこをですね」
「さらにですね」
「敵を攻めますね」
「その不安を」
「そうだ、そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「敵に勝つが」
「勿論あの兵器を使いますね」
「彼等のその不安の種を」
「そうしていきますね」
「そして不安をだ」
 その感情をというのだ。
「煽る様にな」
「攻めていきますね」
「この度は」
「そうしてあの兵器で攻撃を仕掛け」
「敵の防衛ラインに打撃を与え」
「そしてですね」
「そのうえでな」
 さらにというのだ。 
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