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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

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終わる幼馴染

「魔理沙お姉様!闇夜兄様!」

福音を撃墜し、砂浜へと降りてきた闇夜と魔理沙にラウラが駆け寄った
闇夜は福音の操縦者を、砂浜に優しく降ろした。

「兄様!お兄様は!?」

闇夜は閃輝の容態を、闇夜に尋ねた。闇夜はラウラの頭に手を置きながら言った

「命に問題は無い、だがこれから検査をする」

闇夜は着ていたコートを裏返しにして羽織ると、コートは白衣に変わって
胸元には、薬の瓶が入れられており、いかにも医者らしい格好になっている

「閃輝の診察を行う、魔理沙、部屋に運んでくれ。ラウラ、悪いが少し手伝ってくれ」

闇夜は素早く指示を出して、魔理沙は閃輝を抱きかかえて部屋に向かっていく
闇夜はラウラを連れて、魔理沙の後を追うが

「待ってよ!」

声を上げたのは鈴だった、闇夜は喧しそうに振り返った

「何だ・・・」
「私達にも何かさせてよ!」
「わたくし達にも何かお手伝いさせてください!」

鈴とセシリアは、閃輝の看病か何かをさせて欲しい様だが、闇夜は息を吐いて

「黙れよ、小娘ども」

箒に対して程ドスの効いた声ではないが、それでも鈴達は身体が動かなかった

「てめぇらみたいな小娘が出来る事なんかねぇんだよ。ラウラは医療の知識があるから手伝いを頼んだんだよ。医者の俺に無駄口出すじゃねぇ」

言いたい事を言い切ると、闇夜は今度こそ旅館に向かって足を進めた。途中で出会った山田先生に砂浜に、福音の操縦者を置いてあると伝えて部屋に戻ると、魔理沙が布団に閃輝を
寝かせていた

「良し、これより診察と治療を開始する」

闇夜は職業の一つである医者としての顔付きになり、診察を始めた
閃輝の胸に聴診器を当て、心臓の音を聞き

「ラウラ、そこから紅い瓶を取ってくれ」
「は、はい!」

時折、ラウラに鞄から、薬品が入った瓶を取ってくれと言って、ラウラは言葉通りに
瓶を鞄から取り出して闇夜に渡し、闇夜は瓶から薬品を布に湿らせて、閃輝の身体に
当ててその上から、包帯で巻いていく。
それを数回繰り返して、闇夜は一息ついてから、白衣を脱いで裏返して元の黒いコートに戻して着直して。

「治療終了」

闇夜のその言葉に魔理沙とラウラは一気に顔を明るくした

「兄ちゃん!閃輝は!?」

魔理沙は身を乗り出して、闇夜に飛び掛るような勢いで尋ねた
ラウラも魔理沙と同じように闇夜に、近づいた。

「大丈夫だ、治療も完璧だ。身体にもダメージが残っちまったみたいだが大半のダメージは『ファンタズム・ナイト』が緩和してくれたみたいだ
これで、纏っていたのが普通のISであったら閃輝の怪我は間違いなく重傷だった」

二人はそれを聞くと、安心して床にへたり込んだ、ラウラはへなへなと闇夜に寄りかかる
様に凭れ掛った。闇夜は笑って、ラウラを膝の上に乗せた。

「良かった・・・お兄様・・・」

ラウラは閃輝が無事だと解って心底安心したようだ、闇夜はラウラの頭を撫でて眠っている
閃輝の顔を見た。

「・・・やはり、閃輝をこのまま外界に留めるのは良くないな」

その言葉に魔理沙も思っている事を言った

「私もそう思うよ兄ちゃん、これ以上閃輝が外界に居ても良い事なんて一つも無い
あの閃輝の幼馴染って奴らも閃輝じゃなくて、一夏を求めてる。あいつらにとって
今の閃輝より、過去の、自分が知っている頃の方が良いとしか思ってないんだ」

魔理沙は閃輝の頭を撫でながら、そう言う。確かにセシリアはともかく箒、鈴は現在ではなく過去の、自分達にとって都合の良い方を求めている。今を受け入れようとせずに、過去のみを追い求めている

「大事なのは過去より今だろうが」

魔理沙は手を握り締めて、拳を作る

「やっぱり、閃輝は幻想郷に居るべきだと思うぜ」

魔理沙は自分が思う意見を言った、闇夜はそれを聞くとラウラに視線を移した

「ラウラは如何思う?今まで外界で過ごしたラウラにこそ聞く。閃輝は外界に居るべきだと思うか?」

闇夜は閃輝が外界に出るずっと前から、外界で生活しているラウラに聞いた
ラウラは、言葉を溜めてから口を開いた

「・・・私はお兄様が外界に居るべきだと思いません。
この世界はお兄様を狙う輩がたくさん居ます、でしたら安全に過ごせる幻想郷に
居る事が好ましいと思います。ですから、休みから幻想郷でずっと過ごす事が
良いと思います。勿論、その時は私も幻想郷に行きたいと思っております」

ラウラは自分の立場から、閃輝が居るべき場所の最も相応しい場所を答えた
外界よりも幻想郷に居るほうが良いと答えた。そして、閃輝のためなら自分も
幻想郷に行く事も問題無いと言い切った。

そんなラウラを魔理沙は抱き上げた

「よく言った!それでこそ私達の妹だぜ!」
「あ、有難う御座いますお姉様」

魔理沙は、閃輝の事を第一に考えているラウラの考えに、嬉しさが込み上げ
ラウラに今出来る最高の笑顔を向けた。ラウラは褒められて嬉しいようで顔を赤くする
すると

「うう・・・」

閃輝が呻き声に近い声を上げて、目を覚ました

「お兄様!」「閃輝!!」

その声に魔理沙とラウラは素早く反応し、閃輝が横になっている布団の傍に駆け寄った

「閃輝!大丈夫か!?私が見えるか!?」
「ま、魔理沙・・・姉・・・闇兄にラウラ・・・」

閃輝は頭をゆっくりと頭を動かして、室内を見回して闇夜達の姿を確認すると
声を上げた、ラウラはそれを聞いて、ダムが決壊したように涙を流して、布団越しに
閃輝に抱きついた

「っ・・・ラウラ?」

閃輝は一瞬痛みに顔を歪ませるが、直ぐに顔を元に戻してラウラに視線を移した
ラウラは閃輝の腹部に顔を埋めて、その中で泣いていた。

「恐かったのです・・・闇夜兄様が治療してくださって大丈夫だと解っていても
もうお兄様が目を覚まさないのではないかと心の何処かで恐れていました・・・
そして、お兄様が起きた時に、もう涙を我慢出来ずに・・・うわぁああ・・・」

ラウラは小さく声を立てて泣き始めた、閃輝は身体を起こして、ラウラを抱きしめた

「ありがとな、もう大丈夫だ」
「おにいさま・・・うわぁあああ・・・!」

ラウラは閃輝の胸の中で、泣き始めた。閃輝の温もりを感じた瞬間に完全に我慢出来ずに
なってしまったのだ、閃輝もラウラの背中に手を回して、包み込むように抱きしめた
ラウラはそのまま、暫くの間、泣き続けた。

「すぅすぅ・・・」
「泣き疲れて寝ちまったか」

ラウラは泣きに泣いた後、閃輝に抱きついたまま寝息を立てて眠りに着いてしまった
閃輝は困った妹だっと呟きながらも笑っていた。

「でも、俺どうなったんだっけ・・・記憶が曖昧で・・・」

閃輝は自分が撃墜された事の前後の事を覚えていないようで、頭を欠きながら闇夜の方を見ている

「お前は、篠ノ之 箒を庇う形で福音の攻撃を全て受け、撃墜された
肝心の篠ノ之 箒はお前を置き去りにして、逃げ帰ってきたがな」

闇夜が語る言葉を聞いて閃輝は、やはり外界の女は、その程度の奴かと思った
勿論、シャルロットとラウラはカウントされていない。

「それで、篠ノ之 箒には俺と魔理沙が制裁を加えておいた。それと閃輝、
これからは幻想郷で、ずっと過ごす事が一番良いと俺達は思っている」

閃輝は、その言葉に闇夜の顔を凝視した。闇夜は一旦、天井を見てから口を開いた

「確かに、山田先生やシャルロット、ラウラの様に外界にも良い人間は居るがこれ世界はお前にとって良い物ではない。だから幻想郷に戻るぞ」

闇夜はそう伝えると、閃輝は笑みを浮かべた

「賛成」

閃輝は眠っているラウラの頭を撫でながら続けて口を開いた

「俺もあの幼馴染達には心底ウンザリしてた、俺の事を一夏って言いやがるし
織斑 千冬の視線もうっとおしくてしょうがない。正直、外界にはもう未練なんてねぇ」

閃輝は一瞬だけ鋭い目つきになってそう言った。それを聞いた闇夜と魔理沙は若干嬉しそうに笑った

「そっか、じゃ漸く幻想郷でのんびり出来るな」

魔理沙は闇夜に擦り寄りながらそういったが、闇夜はそんな魔理沙の頭を叩いた

「何言ってんだよ、何時ものんびりしてるくせに良く言うわ」
「えへへ・・・」

魔理沙は叩かれたが、ばれたかっという顔をして笑った。すると閃輝は強い、眠気に襲われる

「あれ・・・急に眠気が・・・」

それを見た闇夜は、忘れたと言いながらラウラと閃輝を布団に寝かせた

「お前は今回、全方位から攻撃を受けた事によって、フランと戦闘した時に受けた
ダメージに近いものが蓄積されている。それの回復の為に身体に回復促進させる為に
ある薬を投与した、それはレイジンボーキノコから作った薬品だ。
お前の身体は、今日から明日にかけて体力を回復させようと貪欲に睡眠を欲する様に
なるだろう。まあ心配は無いからじっくり寝ろ」
「うん・・・」

闇夜の言葉通りに、閃輝は直ぐに眠りに落ちて、ラウラの横で眠りに着いた
魔理沙は仲良く眠る二人に布団を掛けてやって、すやすやと眠る二人の寝顔を見つめた。

「可愛い寝顔だぜ♪」
「そうだな」

闇夜も、二人の寝顔を見つめながらそう言った、二人は肩を寄せ合って
頭をくっ付けて眠っている。その光景に思わず笑みが零れる。

その時、部屋の扉がノックされた

「誰だ?」

闇夜が警戒するかのような声を上げて、扉の向こう側にいる人物に尋ねた
すると帰ってきたのは柔らかな、女性の声だった。

「あのぉ山田ですけども、今宜しいですか?」

闇夜と魔理沙は、尋ねてきたのが麻耶だと解ると、直ぐに部屋に招き入れた
麻耶は一緒の布団で眠っている閃輝とラウラを見て驚いた

「ど、どう言う事なんですか!!?」

闇夜と魔理沙は口の前に人差し指を立てて、シ~ッと言う
そうされる麻耶は慌てて口を閉じた

「ラウラは閃輝は起きて、嬉し泣きしてそれを閃輝が優しく受け止めてやって
その内ラウラが泣き疲れて、眠って、閃輝も眠気に身を任せて眠った
それでこのような状況の完成、っで宜しいですか?」
「は、はい。すいません・・・それで霧雨君の容態は如何なんですか?」

麻耶は落ち着いてから、閃輝の容態を尋ねた。どうやら純粋に撃墜された
閃輝の事を気に掛けていてくれていたようだ

「大丈夫ですよっと言いたい所ですが、身体にはまだダメージが蓄積されてる様で
暫くは休養が必要でしょう。ですから俺達はIS学園から俺達の自宅で休養されるのが
一番だと思います。ですから臨海学校が終わってから入る休日には、一旦休学させる事に
しました、先に学園に戻って準備をします。政府の許可は何とか取り付けましたし
問題は無いと思います」

麻耶はその話を聞くと何かを納得したような、顔をする

「ああ、それで日本政府からの書類が来たんですね。解りました、生徒達の方には
私の方から伝えておきますので」

そう言って麻耶は立ち上がって、お辞儀をしてから部屋を立ち去って行った
その麻耶の様子を見た魔理沙はこう呟いた。

「まったく、麻耶は本当に良い人間だよな」
「まったくだ」

そう言って、闇夜達は荷物を纏め始め、生徒や教師達が寝静まった時間に
閃輝は闇夜が背負い、ラウラは魔理沙が背負って、旅館を出た
すると、シャルロットがラウラの荷物を持って、砂浜で待っていた。

「待たせたな、シャルロット」
「いいえ、そんなに待ってませんよ」
「じゃ、行こうぜ。流石にレミリアとさとりは一緒に行けないし」

3人は霊力を使用して、空に浮かび上がり、闇夜の能力で姿を隠し学園に戻った

そして、臨海学校から帰ってきた女子生徒達が一日遅れて、IS学園に戻ってきた
が、女子達は閃輝に合うことは出来ずに1日が経過した

そして、箒は直ぐに閃輝の部屋に向かった、目的は謝罪と休日に外出の約束を
取り付ける為箒を途中から完全に走って閃輝の部屋に向かった。そして閃輝の部屋に
前に到着するとノックもせずに乱暴に扉を開けて、部屋の中に入った。
その時、閃輝は荷物を担ごうとしていた

「閃輝!その・・・あの時はすまなかった!」

箒は大きく頭を下げて、閃輝に謝罪した。重苦しい空気が部屋に漂う、すると閃輝は
荷物を持って歩き出した、箒はきっと許してくれると期待したが、箒の横を通り過ぎて
扉を閉めて部屋を出て行った。

「な!?ま、待て閃輝!!」

箒は慌てて部屋を出て、廊下を歩いている閃輝に呼びかけるが、閃輝は足を止めない
放棄は少し、怒ったのか、閃輝の肩を掴み無理やり動きを止める

「だから待てと!」
「なんだよ・・・」

閃輝は箒に顔を向けると、箒は絶句した。閃輝の顔には包帯が巻かれていたのだ
片目を隠すように大きく巻かれた包帯、頭にも包帯が巻かれていて、一部には
少し血が染み出しているのか、一部が赤く染まっている。箒は自分のせいでこうなって
しまったのかと酷いショックを受けた。

「何の様だ・・・」

箒はハッとして再び大きく頭を下げた

「本当にすまない!私は・・・私は・・・「そんな言葉ならいらねぇ」え?」

謝る箒に閃輝は、言葉は要らないと言った、その言葉に箒は許してくれていると
思ったようだが次の言葉でそれは打ち砕かれた

「お前のような奴を幼馴染と俺は認めない。この時から俺はお前との縁を切らせてもらう」

その言葉は、箒の胸に深く突き刺さりふらふらと廊下にへたり込んだ
それを確認した閃輝は、そのまま廊下を歩いて行った、そして闇夜達と合流し
闇夜と閃輝の能力を使い、幻想郷へと戻って行った 
 

 
後書き
ゆ「さあ、ハイパー次回予告タイムだよ!
完全に外界と決別した閃輝、幻想郷で最高の気分で生活を送る
幻想郷には、新たにラウラが住人として増え、更に賑やかに。
そして、今年も幻想郷に夏がやって来たが、今回の夏は何時もとは、違った。
ここに新たな異変が幕を開ける!!」

霖「次回、IS 〈インフィニット・ストラトス〉 飛び立つ光

強光異変

さて、本でも読むかな」

ゆ「少しは企業努力したら?」

霖「大きなお世話だ」 
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