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神々の塔

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第八話 生贄の神々その三

「香水は」
「そうよね」
「皆風呂かシャワーに入って」
「それで終わりよね」
「そやな」
「あれよ、香水はね」
 アレンカールはこう言った。
「高いのよ」
「それが問題やな」
「だからあたいもね」
「使ってへんねんな」
「そう、もうお風呂かシャワーで」
「匂い落としてか」
「それでね」
 こう中里に話した。
「終わりよ、嫌いやないけど」
「それでもか」
「高いしね、こっちの世界でもね」
「使わへんか」
「そう、これはっていうのがなくて」
 そうした香水がというのだ。
「それでなのよ」
「使わへんか」
「そうなの」
 こう言うのだった。
「どうもね、というかお風呂好きでね」
「そこでかいな」
「お風呂に何か入れて」
 湯舟にというのだ。
「それを香りにするわね」
「そっちやねんな」
「あたいはね」
 こう話した。
「そうなのよ」
「成程な」
「ええ、香水も難しいのよ」
 こうも言うのだった。
「同じ香水を使っても使う人によってよ」
「変わるんか」
「そうよ」 
 それはというのだ。
「これがね」
「そうやったんか」
 中里はアレンカールのその話に目を丸くさせて応えた。
「いや同じ香水を使ったらな」
「それでよね」
「同じ香りするって思ってたけどな」
「それがなのよ」
 その実はというのだ。
「だって体臭って人それぞれでしょ」
「ああ、そうやったな」 
 それはとだ、中里も応えた。
「体臭はな」
「百人おったらでしょ」
「百人の体臭があるな」
「強弱も含めてね」
「そやったな」
「だからよ」
 それ故にというのだ。
「香水もよ」
「使う人によって香りが変わるか」
「そうなのよ」
「難しいもんやねんな」
「これがね」
 その実はというのだ。
「そやからね」
「自分はそうしたことも考えてか」
「香水を使わない様にしてるんやな」
「そうなのよ」
 まさにというのだ。
「あたいはね」
「難しいもんか」
「これがね」 
 その実はというのだ。
「覚えておいてね」
「ああ、わかったわ」
 中里もそれはと応えた。 
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