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神々の塔

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第七話 神々との戦いの前にその十二

「もうね、そしてね」
「得られる経験値やお金も」
「そのどちらもね」
 まさにというのだ。
「違うわ、だから勝ったら」
「神霊の方々に」
「一柱だけでもね」
 それこそというのだ。
「違うわ、そしてね」
「この塔を踏破される頃には」
「間違いなくね」
 それこそと言うのだった。
「相当な強さになっているわ」
「そうですね、では」
「ええ、絶対にね」   
 アレンカールは意を決して言った。
「この塔を踏破するわ」
「そうされて下さい、そして」
「踏破して得た力でね」
「この世界をお救い下さい、神霊の方々は世界のそれぞれの力を司っておられますが」
 それでもとだ、女は話した。
「しかし」
「それでもなのね」
「はい、人がいるこの世界にです」
「干渉することはなの」
「出来ないですから」
「世界を救うこともなのね」
「人の世界を護り救うことはです」
 このことはというと。
「人だけがです」
「出来るのね」
「そうです、ですから」
 それでというのだ。
「皆さんはです」
「この世界を救う為に来たし」
「だからこそ」
 それでというのだ。
「是非です」
「ええ、やらせてもらうわ」
「それでは」
 女はアレンカールに微笑んで応えた、そしてだった。
 十人は食べていった、だが。
 酒は飲まずだ、綾乃は仲間達に笑って話した。
「お酒は後やね」
「そや、戦に勝ってな」
 クマゾッツ達にとだ、芥川は綾乃に応えて話した。
「そうしてな」
「それからやね」
「お祝いにな」
 神々に勝ったそれのというのだ。
「飲もうな」
「そうするんやね」
「今飲むとな」
 それはというのだ。
「明日の戦に悪影響が出るさかい」
「それでやね」
「万全の状況でな」
 それでというのだ。
「挑まんとな」
「勝てへんね」
「そして神霊の前に出るには」
 それならというのだ。
「それなりのことが必要や」
「身を清めることやね」
「この世界別に肉食はええが」 
 神霊の儀式を行う前にだ。
「精進はせんでもな」
「ええね」
「そやけどな」
「やっぱり身を清めることは必要やし」
「酒はな」
 これはというのだ。
「そうした意味でもな」
「あかんね」
「そや」
 まさにというのだ。
「それで酒はな」
「今は慎むことやね」
「もう身は清めた」
 入浴によってというのだ。
「そうしたし服もな」
「着替えたり洗濯してもらって奇麗にしたし」
「ほなな」
「それならやね」
「酒はな」
「今は慎んで」
「身を清めたままでな」
 そのうえでというのだ。
「戦に挑むで」
「そやね」
「それをせずして」
 それこそというのだ。
「神霊と戦う資格はないしな」
「しかも戦に支障が出るさかい」
「そうした意味でもな」 
 今夜はというのだ。
「今は飲まんでな」
「寝ることやね」
「そや、そしてしっかり寝て」
「戦おうな」
「そうしよな」
 こう話してそのうえでだった。
 十人は今は身を慎んで酒は控えた、そうして食事は心からたらふく楽しみそのうえで寝た、次の神々との戦いに備えて。


第七話   完


                  2022・12・23 
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