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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第二百三十九話 山下テツヤ その3

第二百三十九話 山下テツヤ その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

非公式の部活動である『超能力研究部』の部室で、俺の先輩でこの部活動の部長である西村アサリが授業中にコンビニで買ってきたと思われるポテチをバリボリ食いながら紙に書いていたイラストがコレ↓だった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「後輩さぁ、この前、私が家でこのイラスト書いてたらさぁ、彼氏に別れようって言われた」
「でしょうね」
先輩が断罪者で、しかも彼氏がいたことに、俺は二重の意味でショックを受けた。
でも、よく考えれば、先輩は現在フリーであるということだ。
それよりなにより、先輩が、あの断罪者(社会不適合者)であることのほうが俺にはショックだった。
断罪者(社会不適合者)とは断罪王現象と呼ばれる原因不明の現象により、ある日突然、まともな人間が社会不適合者、つまり断罪者になってしまう現象のことだ。
そして、先輩が紙に書いているイラストは、断罪者(社会不適合者)にしか描けないイラストであった。
「後輩、顔がさぁ」
「はい」
「顔がよければさぁ、どんな悪いことしても、この世の中を生きる人間たちはみんな許してくれると、私は思ってたんだよね」
「まぁ、ほぼそんな感じっすよね」
「でもさぁ、私が描いたこのイラスト見た彼氏はさぁ、私に『別れたい』って言ってそのままどっか行った」
「どうして、彼氏と家にいたんですか?」
「でさ、後輩的にはどう思う、その彼氏のこと」
「別れを告げられたのであれば、もうその彼氏は彼氏とは言えませんよね」
「うるせぇよ、とっとと質問に答えろ!」
「僕が先輩の彼氏だったらリンクセンターに行くことをお勧めしますよ」
「リンクセンター?」
「断罪者(社会不適合者)をまともな状態にする施設?のことです、なんかこのまえテレビで特集されてました」
「後輩、それって私が頭のおかしい人間だって言いたいの?」
「いえ、断罪王現象は先天的なものでなく、後天的なものですから、先輩はなにも悪くないですよ」
「じゃあ、私がこのまま頭がおかしい人間のままだったら、誰も私を愛してくれないってこと?」
「そんなこと、俺に言われても困りますよ...」
「困るなよ!見ろや!このリスカの痕!」
先輩が俺に向かって包帯で巻かれた右手を突き出す。
包帯がほどかれた先輩の右手には刃物で手首を切ったような痕があった。
おそらく、先輩は彼氏に別れを告げられたショックで、自分自身を傷つけてしまったのだろう。
「後輩さぁ、このリスカ痕見て、私のことめっちゃ可哀そうだと思うでしょ?」
「思いますねぇ、そりゃあ...」
「たぶんさぁ、この部活動のこともだけどさぁ、私が仮に断罪者(社会不適合者)でなくなっても、私はきっとずっと頭がおかしい女のままだと思う...」
(自覚があったのか...)
「だから、私はこのまま、死ぬまで断罪者のままでいようと思う、大丈夫、私はかわいいから、いつかきっと『私のことちゃんとわかってくれる人』が見つかる!」
先輩は勝手に自己完結して、食事を再開した。
俺は自分が、先輩の言う、『私のことちゃんとわかってくれる人』に含まれていないことを知って落ち込む。
落ち込んだ俺に、先輩がポテチを手渡してくる。
「後輩、どうした、暗いぞ!」
(あんたのせいなんですけどねぇ...)
俺は苦笑いを浮かべながら、先輩から手渡されたポテチを口に入れる。
しょっぱい。
次の日、高校の近くで大きな火災があった。
どうやら、うちの学校の男子生徒が一人、犠牲になってしまったらしい。
教室では、その火災で犠牲になった生徒の話題で盛り上がっていた。
俺の耳にクラスメイト達の会話が聞くつもりがなくても入ってくる。
『聞いた?昨日の火事で死んだ生徒、うちの高校の3年生らしいよ!しかもチョーイケメン』
『知ってる知ってる!可哀そうだよね、イケメンで背も高くて、勉強もスポーツもできたのにねぇ』
『でも、その3年生さぁ、彼女がヤベー女だったみたいよ』
『ヤベーってどんな感じ?』
『あれよ、例の部活の、なんだっけ...』
『超能力研究部でしょ?』
『そう、それそれ、そこの部長と付き合ってたんだけどさ、ちょっと前に破局しちゃったんだって!』
『じゃあ、もしかしたら、そのフラれた彼女が腹いせに、放火したってこと?』
『まだ、そうと決まったわけじゃないけどさぁ...でも、そのフラれた彼女、なんか、左足に包帯巻いてたみたいよ、やけどだって!』
『うそー!それってもしかして、放火したときにやけどしたってこと?』
クラスメイト達の会話を聞いていた俺はすぐに教室から廊下に飛び出して、超能力研究部の部室に向かって走った。
一時間目の授業の開始を知らせるチャイム音が校舎内に鳴り響く。
廊下を走るな!教室に戻れ!と言う教師の叱責の言葉が耳に鳴り響く。
部室のドアを開けると。
左足に包帯を巻いた先輩がパイプ椅子に座って宅配ピザを食べていた。
「なんだ、後輩もサボり?一緒に食べる?」
先輩はなんか妙に機嫌がよさそうだった。
「先輩、足にやけどって本当ですか?」
「うん、昨日、前に話した彼氏の家に言った時にね、したの、やけど」
「じゃあ、例の放火の犯人って...」
「私のせいだけど、私のせいじゃない」
「どういうことですか?」
「先生からもらった魔法をね、試しに別れた彼氏に使ってみたの。最初は先生の言ってること全部嘘だと思ったからね、だから、まさか、ほんとうにあんなたことになるとはおもわなかったのよね」
「先生...って誰ですか?」
「ないしょ」

次回予告 山下テツヤ その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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