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神々の塔

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第六話 宿屋と道具屋その八

「試練を与え」
「それを乗り越えるか」
「そうした場所です」
 まさにというのだ。
「この塔は」
「そうした場所でか」
「そうです、ではこれより」
「この宿屋にやな」
「お泊り下さい」
「ほなな」
 リーも他の面々も頷いた、そうして泊まるが。
 それぞれ二人用の部屋に案内されてだ、芥川は同室になった中里に対してまさかという顔になって話した。
「いや、まさかな」
「二人用の部屋でやな」
「快適な部屋でな」 
 見れば結構な部屋である。
「くつろいでな」
「休めるとかか」
「考えてへんかったわ」
「ここまでとはやな」
「しかもな」
 芥川はさらに話した。
「大浴場までや」
「あるな」
「サウナ付きのな」
「ダンジョンにも宿屋あるけどな」
「その入り口とかにな」
「そやけどな」
「そうしたところの宿屋てな」
 どうかというのだ。
「泊まってな」
「体力を気力を回復させられたらな」
「ええって場所でな」
「ここまでよおないな」
「とてもな」
「それがやな」
「ここの宿屋はな」
 柔らかそうなベッドも見て話した。
「この通りな」
「ええ具合やな」
「ほんまにな」
「それはです」
 部屋に案内した悪魔族の若い美人の女が言ってきた、ホテルマンの恰好をしているが膝までのスカートが実によく似合っている。
「神霊の方々のお考えで」
「ここまでかいな」
「なっています」
 こう中里に答えた。
「この塔は全てこの世界のです」
「神霊達のか」
「お力で築かれ」
 そうしてというのだ。
「成り立っていますので」
「それでか」
「宿屋や道具屋、街は」
 そういった場所はというのだ。
「全てです」
「神霊の考えか」
「そうです、何万階も進まれ」
 そうしてというのだ。
「戦われる方々のことを想い」
「ここまでのものをか」
「用意されています」
「そやねんな」
「そうです、外の世界なら採算を考えますね」
「当然な」
 芥川はそれはと答えた。
「それは」
「そうですね、ですが」
「この神々の塔はか」
「外の世界とは違います」
「まさに神霊の世界やな」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「幾ら設備がよくとも」
「採算もか」
「考える必要がないのです」
「神霊の思うままか」
「この世を司っておられる」
「それでか」
「そうです、尚お客様自体が」
 女は芥川に話した。 
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