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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第二百三十六話 完禁オージ その4

第二百三十六話 完禁オージ その4
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

この世界の人々は皆、癒しを求め、癒しに依存し、癒しを得るために行動する。
それは、自らを、ある意味で洗脳していることと同じである。
完禁オージの癒しの狂撃波動は、その極上に癒しを利用して、対象を洗脳することもできるのだ。
しかし、洗脳状態の人間は極上の癒しを疑似体験しているため、洗脳は可能でも、自殺させることができないのだ。
石間コウイチの耳に車のエンジン音が聞こえてくる。
そして、車が走る音が遠ざかっていく。
奈良見と新田を逃がせたことを確信した石間コウイチは、目のまえに広がる、オージの操り人形とかしたナースたち相手に不敵な笑みを浮かべる。
「この数では、さすがの石間さんでも、状況打開は困難でしょう...でも、悲しむ必要はありません、先生は旧友であるあなたの力を必要としている...」
「俺はまだ、一言も弱音を吐いたつもりはないが...」
「では、この多勢に無勢の状況を、いったいどう逆転するおつもりですか?」
オージが指を鳴らすと、一斉に洗脳状態のナースが俺に向かって襲い掛かってくる。
俺は蹴りや拳で、ナースたちを次々と気絶させていく。
「ほう...すばらしい身体能力だ...さすが、元『孤影』のメンバーですね...」
『孤影』とはかつて、カエデが率いていた武装集団のことだ。
そして、その孤影の生き残りも今では俺とカエデだけだ。
「こっちは狂撃波動なんて力を押し付けられる前から、実戦を積んでいるんだ!狂撃波動の力に頼りっきりのお前が俺に勝てるわけないだろ!」
俺は拳と蹴りで次々と、オージに洗脳されたナースを気絶させる。
病院内にはもう、俺とオージの二人だけしかいない。
「俺の勝ちだ...大人しく、警察に自首しろ!」
「なら、あなたにも私の操り人形になってもらいましょうか...」
オージが俺に向かって狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「無駄だ...」
俺はオージの狂撃波動を身体能力だけで回避する。
もはや、狂撃波動が放たれる方向さえ、わかっていれば、いくら狂撃波動でもよけるのは容易である。
わかりやすく言えば、銃と同じである。
俺は素早くオージの背後に回り込んで、両手の手刀をオージの両肩に勢いよく下ろす。
両肩を骨折したオージの両腕はこれで、しばらく使い物にはならないはずだ。
それは、オージが狂撃波動を放つことができないことを意味している。
「ゔぐぅあああああああああああああああッ‼」
「自首しろと警告はした、悪く思うな...キリカの居場所を早く言え!」
そう、こうしている間にも、キリカはこの心療内科ハートクラッシャーを受診した人々を狂撃波動を使って自殺させている可能性が高い。
「僕がキリカの居場所を吐くと思いますか...?」
「なるほど、このまま、だんまりを続けて、キリカにこの心療内科の患者を全員、殺害させるつもりか...」
「ああ、もちろん...証拠さえ、消してしまえば、僕の勝ちだァ!キィエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!」
絶望的な状況に追い込まれても、なお希望を捨てないオージの奇声が病院内にこだまする。
「なら、死ぬか、お前...?」
「僕を殺せば、お前は人殺しだァ!犯罪者だぞォ!それでいいんかァ?」
「俺は『孤影』に所属していたころ、この国の治安を悪化させる悪党どもはカエデと共に全員殺してきた...それに、お前はこの病院に受診しに来た人々を断罪者(社会不適合者) にした...その中には、断罪者(社会不適合者)にされたせいで、したくもない人殺しをさせられたやつもいるかもしれない...だから俺はカエデに加担する人間を殺すことにためらないはない...!それに、ここには今、俺とお前の二人だけだ...!」
「ぼ、僕はそんな脅しには屈しないぞ...先生から力を授かった以上、僕の人生は常に死と隣り合わせだったんだ!今更、死ぬのなんて怖くねぇぇぇんだよバーーーーカァッ‼」
「なら...死ね!」
石間コウイチが人差し指を、オージの頭部に突き刺そうとした次の瞬間、コウイチの体が何者かによって突き飛ばされる。
病院の入り口には、一人の男が立っている。
そして、コウイチの目のまえには一人の女性が立っていた。
「危ないところだったな、オージ...!」
「お前は...山下『テツヤ』‼」
コウイチを突き飛ばした女性の姿かたちが崩れ、狂撃波動になって、山下テツヤの体内に吸収される。
(狂撃波動で具現化させた女性を体内から切り離した後に、体内に戻した...!)
そう、山下テツヤは、体内から切り離すことができる狂撃波動の使い手だった。
それは、カエデの生徒でありながら、カエデの支配下にあることで発生するあらゆるリスクと無縁であることを意味していた。
(なら、なぜカエデに味方するんだ...?)
「わりーな、石間さん、オージは返してもらうぜ...」
テツヤが地面に手をかざす。
両肩を骨折したオージを肩に担いだテツヤが地面にできた黒いシミの中に沈んでいく。
突然の出来事に戸惑っていたコウイチは、頭を切り替えて、病院内で気絶しているナースたちのために、救急車を呼んだ。

次回予告 山下テツヤ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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