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ドリトル先生とタキタロウ

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第十幕その十

「エゾオオカミを見たという人がいるんだ」
「へえ、そうなの」
「エゾオオカミもいるの」
「ニホンオオカミと一緒で」
「若しかしたら」
「いるのね」
 そうだというのです。
「車を運転していたら」
「その時になんだ」
「見た人がいるんだ」
「そうなんだ」
「それで映像にも撮られているから」 
 それでというのです。
「これはね」
「まだ生き残っている」
「そうかも知れないのね」
「エゾオオカミも」
「うん、だからエゾオオカミも生き残っていたら」
 それならというのです。
「是非保護してね」
「そうしてだね」
「そのうえでなのね」
「もう一度北海道全土に広まってもらって」
「生態系を維持してもらうのね」
「そうしてもらわないとね」 
 さもないと、というのです。
「やっぱりね」
「そうだよね」
「乱獲はそうした意味でも止めないとね」
「絶滅した生きものもいるし」
「減るだけでも大変なことだし」
「それも戒めないとね」
 こうお話するのでした、そしてです。 
 先生は見てかつお話も聞いた湖の生きもの達を棲み処に戻してです、そのうえで湖の穏やかな水面を見ましたが。
 その水面を見てです、先生は皆に今度はこう言いました。
「河童はいないね」
「いや、いないでしょ河童は」
「ここには」
「流石に」
「そのお話は聞かないね。けれどね」
 それでもとお話するのでした。
「河童もね」
「いるよね」
「妖怪は実際にいるし」
「姫路城の宴の時もいたかな」
「河童は」
「河童は日本全土にいるけれど」 
 それでもというのです。
「東北も有名だからね」
「ああ、遠野だね」
「あちらに出るんだったね」
「そうだったね」
「そうだよ、東北は座敷童や雪女が有名だけれど」
 こうした妖怪と一緒にというのです。
「河童も有名でね」
「関東や九州も有名だけれど」
「東北もで」
「若しかしたらここにも」
「そう思ったんだね」
「そうなんだ、まあいないね」
 笑って言う先生でした。
「やっぱり」
「いそうな場所でもね」
「この湖にはいないみたいね」
「けれど若しいたら」
「その時は」
「胡瓜を置いていようかな」 
 河童の好きなというのです。 
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