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星河の覇皇

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第八十三部第三章 今だ目覚めずその五

「いい国だと思うぜ」
「戦争してても俺達は平和だしな」
「もうこの星系が戦禍に巻き込まれることはないし」
「エウロパの奴等も来ない」
「そう思うといい国だぜ」
「政治だってしっかりしてるしな」
 シャイターンの的確な政治あってのことである。
「インフラもちゃんとしてくれて」
「治安もしっかりしてきた」
「雇用も賃金も安定している」
「店やネットで欲しいものはあらかた買える」
「戦禍がないうえにこれだぜ」
 内政が充実しているというのだ。
「こんなにいいことはないだろ」
「そんな国嫌いにならない筈ないさ」
「その国がサハラ統一して欲しいぜ、俺達も」
「この国が好きだからな」
「是非な」
「皆そうだよな、シャイターン主席も」
 彼もというのだ。
「凄い人だしな」
「だよな、英雄ってああいう人のことを言うんだろうな」
「戦争に滅茶苦茶強くて政治も出来るなんてな」
「本当に英雄だよな」
「サハラはこれまで色々な英雄出て来たけれどな」
 それでもというのだ。
「皆途中で寿命になるか戦死するか」
「失脚したりな」
「暗殺された人も多いな」
「それで次から次に消えていったな」
「流れ星みたいに」
 それもまたサハラの歴史だった、この地域の英雄達は多く出たが皆サハラ統一という志を果たす前に消えていっているのだ。
 だからだ、彼等もここで話すのだ。
「どれだけの人が死んだか」
「そう思うとな」
「シャイターン主席ならって思うし」
「果たして欲しいな」
 サハラ統一、それをというのだ。
「ティムールによる統一を果たしてくれて」
「皇帝になって欲しいな」
「サハラの皇帝にな」
「スルタン=カリフに」
 この座に就いて欲しいというのだ。
「そしてサハラを豊かにして」
「俺達の暮らしももっと豊かにして欲しいぜ」
「そして歯磨き粉だってな」
 自分達が作っているものをというのだ。
「もっといいもの作って」
「それをどんどん売れる様にして欲しいな」
「歯磨き粉は絶対に売れるんだ」
 生活必需品だけにというのだ。
「それならな」
「統一したら俺達の作った歯磨き粉はサハラ全土で売れる様になるんだ」
「そうしたら俺達の会社の業績も上がってな」
 そしてというのだ。 
「給料も上がって」
「このまま働ける」
「いいこと尽くしだしな」
「これはオムダーマンが統一しても同じにしても」
 それでもというのだ。 
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