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ドリトル先生とタキタロウ

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第十幕その四

「何かした後の紅茶は最高だね」
「最高の一服だよね」
「普通に飲む紅茶も美味しいけれど」
「お仕事が一段落ついた後はね」
「最高だよね」
「そうだね、ただね」
 ここで先生はこうもお話しました。
「何もしないで勝手に人の家に上がり込んで煎れてくれるかって言って飲むとね」
「それよくないね」
「そう言うなら自分で煎れないとね」
「勝手に上がり込んでそのお家の人に煎れろとかね」
「図々しいよね」
「そんな風にして飲んでもね」
 先生はどうかというお顔でお話しました。
「美味しくないよね」
「そうだよね」
「何でもね」
「紅茶に限らず」
「コーヒーだってそうだね」
「日本や中国のお茶だって」
「それは図々しくてね」 
 皆の言う通りにというのです。
「尊大かもね」
「そうかもね」
「少なくとも謙虚じゃないね」
「勝手に人のお家に上がり込む時点でね」
「ちょっとね」
「事前に行ってもいいかじゃなくて行くと言って」 
 そうしてというのです。
「上がり込んでね」
「それだとね」
「そのお家の人の都合も考えないで」
「いきなりそう言ってだとね」
「無神経でもあるね」
「そうした行いも紳士じゃないと思うよ」
 先生としてはです。
「どうしてもね」
「そうだよね」
「やっぱり謙虚じゃないとね」
「そうしたことする人ってどんな人生送ってきたのかな」
「あまりにも図々しいけれど」
「いい人生じゃなかったことは確かだね」
 先生はそれは間違いないと言いました。
「ちゃんと躾や教育を受けてなくてまともな経験もね」
「積んでこなかったんだ」
「人生のそれを」
「それでなんだ」
「謙虚さを備えなかったんだ」
「そうだろうね、子供でも家の前を通っただけで急に来て何か飲ませろだとね」
 そうだと、というのです。
「何だって思うね」
「うん、確かにね」
「そんな人も嫌になるね」
「やっぱり人間謙虚でないとね」
「ちゃんとした人生を送って経験を積んで学んでね」
「僕はそんなことはしないよ」 
 先生はです。
「そうする様に心掛けているつもりだよ」
「うん、先生はそうだね」
「凄く謙虚だよ」
「事前に行くじゃなくてお邪魔していいですかだし」
「お家に入っても煎れてくれるのを待ってね」
「自分から言わないしね」
「そうだよ、図々しいことはしたくないよ」
 先生としてもです。
「だから心掛けているよ」
「そうだね」
「じゃあこれからもだね」
「そうする様にしていくね」
「先生としては」
「是非ね、そして一人で飲むよりも」
 一緒に飲んでいる皆にお話しました。 
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