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八条学園騒動記

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第六百八十六話 カラフルにふんだんにその三

「今最高の気分だよ」
「それは何よりね」
「うん、ただね」
 トムはメアリーにこうも言った。
「茹で卵も作るなんてね」
「思わなかったのね」
「うん、これもなんて」
「茹で卵もあったらいいかしらってね」
 メアリーはその茹で卵を食べつつ応えた、もう殻は連合の最新型の卵剥き機で剥いてそのまま食べている。
「思ってね」
「それで作ったんだ」
「そうなのよ」
「そうなんだね、それで茹で卵は」
「一人五つよ」
 メアリーはすぐにこう答えた。
「それだけね」
「食べていいんだ」
「ええ、そうよ」
「数えたら二十あるよ」
 シッドは茹で卵の数を数えて言った、メアリーが今食べている分までも。
「それで一人五つなんだ」
「最低でもよ」
 メアリーは笑顔で答えた。
「それだけ食べてね」
「そういうことなんだ」
「そう、ノルマだから」
 その五個はというのだ。
「それだけ食べて」
「それでなんだ」
「残りはね」
「食べられるならなんだ」
「食べてね」
 こう言うのだった。
「そうしてね」
「それじゃあね」
 シッドは従姉の言葉に頷いて応えた。
「そうするよ」
「そういうことでね」
 シッドに応えつつだった、メアリーは茹で卵を食べ。
 そしてだ、ビールも飲んで言った。
「いや、一気にね」
「お酒きた?」
「きたわ」
 トムにジョッキ片手で答えた。
「ビールも九度あったら」
「きくね」
「ええ、いい感じに酔えて」
 そうなってというのだ。
「さらにね」
「飲めるんだね」
「これはいいわ、美味しいって聞いてたけれど」
「実際になんだ」
「予想以上にね」
 そこまでというのだ。
「いいわ、ただね」
「ただ?」
「このビールもね」
 アルコール度の強い黒ビールもというのだ。
「カナダ以外ではね」
「マイナーなんだね」
「実際二人もはじめて飲むでしょ」
「うん」 
 トムはそうだと声を出して頷きシッドは無言でそうした、そうしてトムはメアリーに対してさらに話した。
「そうだよ」
「地元じゃ有名でも」
「カナダでもだね」
「あまり知られていない様な」
 そうしたというのだ。
「かなりね」
「マイナーなお酒で」
「それでなのよ」
「メアリーとしては」
「このお酒もね」
「宣伝したいんだね」
「折角美味しいのに」
 飲みつつ話すのだった。 
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