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X ーthe another storyー

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第六話 封印その七

「今の様なことはですね」
「有り得なくて」
「貴方達に不備があったともよ」
「言えないですか」
「ええ、例え桜塚護の力が強くても」
 そうであってもというのだ。
「ここの結界を破ることはね」
「出来ないですか」
「流石にね、しかも一時消えて」
 その結界がというのだ。
「今はね」
「戻ってますね」
 護刃が言って来た。
「そうなってますね」
「すぐにね」
「あの、何か」 
「どうしたのかしら」
「どなたかがです」
 首を傾げさせながら言った。
「結界を消した様な」
「そう思うのね」
「はい」
 こう嵐に答えた。
「私としては」
「あの、そんなことはです」
 玳透は戸惑った声で述べた。
「とてもです」
「出来ないですか」
「誰にも」
「そうなんですね」
「例え天の龍の皆さんでも」
 強い力を持つ彼等でもというのだ。
「流石に」
「そうですか」
「幾ら何でも」
「いや、聞きたい」
 神威は玳透に顔を向けて彼に問うた。
「俺達より力が強い者がいるならな」
「それが誰か」
「そうだ、聞きたいが」
「もうそれは丁様しかおられないです」
 玳透は強い声で答えた。
「最早」
「そして妹の庚です」
 丁も言って来た。
「他にはです」
「妹さんがいるのか」
「わらわと対して地の龍を率いています」
「妹さんも夢見か」
「いえ、そこは違います」 
 自分とはというのだ。
「ですがその力は」
「姫様に匹敵するか」
「左様です」
「ではその女がしたのか」
 神威は丁の話を聞いてこう考えた。
「そうなのか」
「いや、内から消した感じみたいですから」
 護刃が話した。
「この場合はです」
「地の龍の女ではないか」
「そうだと思います」
「何かわからんな、怪我人は出んかったからええが」 
 空汰も眉を顰めさせている、見回すと桜の花びらはあるが怪我人はなく壊れた場所もない。無事そのものだった。
「しかしな」
「それでもですね」
「結滞なことや」
 こう護刃に述べた。
「ほんまにな」
「そうですよね」
「ああ、そやけど結界は戻ったし」
「今は安心出来ますね」
「これでな」
「ではまたな」
 神威はここで他の面々に告げた。 
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