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神々の塔

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第三話 準備を整えその九

「そやけどです」
「飲み過ぎるとあかんね」
「神変鬼毒といいますが」
 酒呑童子の話に出て来る神変鬼毒酒のことだ、人が飲めば薬になるが鬼が飲むと毒になる酒である。
「人にも言えることです」
「お酒は飲み過ぎたら毒やね」
「そうです、それに飲み過ぎて寝ても」
「ぐっすり寝られんし」
「しかも夜遅くまで飲んだりもしますね」
「睡眠時間も短くなる」
「はい」
 まさにというのだ。
「確かな睡眠にならないので」
「次の日大事なことするとなると」
「それに支障が出ます」
 そうなるというのだ。
「そうなりますので」
「あの時飲まんかったのは正解で」
「今宵もです」
「飲まんことやね」
「その様にお願いします、勿論僕もです」
 言う太宰もというのだ。
「今宵は飲みません」
「そのまま寝るんやね」
「お仕事が終わり」
 そしてというのだ。
「晩ご飯を食べてお風呂に入れば」
「休むんやね」
「官邸において」
「副宰相のやね」
「そこでそうしまして」
「また明日やね」
「そうします」
 こう綾乃に話した。
「これまで通り」
「この世界でずっとそうしてきたさかい」
「変わりません」
 その暮らしはというのだ。
「働かせて頂きます」
「ほな頼むで、ただ」
「わかっています、お仕事は時間通りに終らせるものです」
 太宰ははっきりとした声で答えた。
「長くやったからといって」
「ええもんやないね」
「かえって長い労働はです」
「ええことないね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「それはです」
「過労にもなるし」
「よくありません」
「時間通りに終らせることやね」
「長時間労働は兎角です」
 これはというのだ。
「問題があります」
「そやから連合でも法として定めてるんやね」
「労働時間のことは」
 このことはというのだ。
「そうしています」
「政のうちの一つやね」
「まさに」
 そうだというのだ。
「そうですさかい」
「ちゃんとやね」
「法で定め」 
 その様にしてというのだ。
「監督もです」
「してるんやね」
「ただ法を定めても」
「守らん人おるし」
「だからです」
「監督する人達も必要で」
「儲けています」
 省庁としてというのだ。 
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