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ドリトル先生とタキタロウ

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第八幕その五

「今と昔じゃ考えが違うしそれに自分が殴られたらどうかな」
「理不尽にね」
「ちょっとしたことで怒鳴り散らされたり何度も殴られたり」
「そんな目に遭ったらどうか」
「そうなるよね」
「本当にね」
「そうだからね」
 それでというのです。
「今の基準で今の問題を考えないとね」
「全く以てそうだね」
「ブラック企業もDVも」
「アール=ウォーレンさんも言ったし」
「そうね」
「だからね、しかし思うことは」
 先生はまた遠い目になってお話しました。
「アール=ウォーレンという人への評価は難しいね」
「とんでもない人種差別主義者と思ったよ」
「最初聞いたらね」
 チープサイドの家族が言います。
「法律家であってはならない」
「ナチスにいた方がいい人だってね」
「けれど公民権のお話を聞いたら」
 ホワイティは複雑な表情になっています。
「そうじゃないからね」
「全然違う人に思えたよ」
 チーチーはきっぱりと言いました。
「驚いたよ」
「けれどそれが事実なのね」 
 ガブガブの言葉はしみじみとしたものでした。
「同じ人がしたことね」
「こんな人もいるんだ」
 トートーの言葉は驚きを隠せないものでした。
「歴史の中には」
「差別主義者から人権の擁護者になるなんて」
 ポリネシアの声も驚いたものです。
「想像も出来ないわ」
「しかも多大なる貢献を残したんだよ」
 ダブダブの声は興奮で上ずっています。
「行動にも移して結果も出しているからね」
「公民権運動のことを見たら天国に行けるけれど」
 それでもと言うジップでした。
「日系人の人達へのことは地獄行きかな」
「判断が難しいね」
「全くだよ」
 オシツオサレツは結論を出しかねています。
「人種差別主義者か人権獲得の為に活躍した人か」
「どうもね」
「善悪の判断は難しいけれど」
 老馬も考えていますが結論は出ません。
「この人は特にだね」
「アメリカの名誉も汚したよ」
 その人種差別によってです。
「けれどアメリカの名誉も高めたよ」
「同じ人がそうしたから」
「本当に判断がつきかねるね」
「人間いいこともすれば悪いこともするけれど」
「こんな人になると判断が難しいよ」
「お前が変わろうともお前の罪は消えない」 
 先生はこうした言葉も出しました。
「こう考えたらこの人への糾弾は楽だね」
「うん、ただその人の悪事だけ見てね」
「思いきり怒りと憎しみをぶつけたらね」
「こんな楽なことはないよ」
「何の心のストッパーもなく攻撃出来るよ」
「けれどそんな考えで人を攻撃したらね」
 その人の改心や反省を考慮しないでその罪や悪事だけを見てです。
「もう超えてはならない一線を超えてしまうよ」
「復讐鬼だよね」
「もうそう言っていい人になるね」
「怒りや憎しみに心を支配されて」
「例え相手の人に直接何かされてなくても」
「何かされてたら確実にもっと酷くなるけれど」
「そうなったら復讐鬼になってね」 
 そう呼ぶしかない人になってというのです。 
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