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神々の塔

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第二話 冒険の準備その十一

「無理とか出来へんとか考えるよりもな」
「どうしたら出来るか」
「足りんならどう補うか」
「そう考えることも大事よね」
「政でもそやろ、いつも万全な状況なんてな」
「あたい達もあらへんことやね」
「常に何かが足りん」
 政でもというのだ。
「お金なり人手なりな」
「ものなりね」
「何かがな」
「足りへんものよ」
「それでネックとかもな」
「あるわね」
「ほんまに万全という状況はな」 
 何でも揃っている様なというのだ。
「ないわ」
「そうよね」
「それでもやるしかないわ」
 政はというのだ。
「それで他のこともな」
「同じよね」
「発明もな、エジソンが何かなくて諦めたか」
 発明王と言われた彼がというのだ。
「空想何とかはエジソンの真逆や」
「あれは無理これは出来ないで」
「もう何でもや」
「否定してね」
「未来を閉ざしてる」
「そうしたもので」
「誰の何の役にも立たんでな」
「生み出すものもね」
「駄文だけや」
 芥川は忌々し気に言い切った。
「ほんまそれしかないな」
「どうにもならないものね」
「そや、エジソンは多くの発明をしてや」
「後世の人達に多くのものを残したわね」
「そうしたが」
 それでもというのだ。
「その作家か何かはな」
「駄文だけを残してるわね」
「それに過ぎん、何か特異になってる様やが」
 あれこれと否定して回ってだ。
「そんなや」
「下らないものね」
「僕等は絶対にや」
 芥川は強烈極まる否定を以てアレンカールに話した、それは何一つとして肯定出来るものはないというものだった。
「そんな奴にはな」
「ならへんことね」
「そや、なったらな」
 それこそというのだ。
「終わりや、人として」
「そうね、あたいもね」
 アレンカールも忌々し気に話した。
「ああした人にはね」
「なりたないやろ」
「生きるなら」
 それならというのだ。
「誰かの役に立ってね」
「世の中に貢献出来るな」
「そんな人になりたいわ」
「例え生きる糧を得るにしてもな」
「犯罪とね」
「そんなしょうもないことをしてやとな」 
「意味があらへんわ」
 こう言うのだった。
「ほんまによ」
「そやな、ほんまな」
「下らないわね」
「そう言うしかないわ」
 八人共この考えは変わらなかった、そうしたことも話しつつだった。
 十星連合の神星の者達は神々の塔へ挑戦する準備を整えていっていた、彼等はこれからのことを考えてそうしていた。


第二話   完


                  2022・11・15 
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