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ドリトル先生とタキタロウ

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第七幕その三

 先生は皆を藤原氏の史跡に案内しました、そうしてお話しました。
「藤原氏は馬と黄金が繁栄の元だったんだ」
「あっ、馬っていったら」
 その馬である老馬が言いました。
「義経さんだね」
「あの人壇ノ浦の八艘跳びもあったけれど」
「馬を使った戦いも得意だったのよね」 
 チープサイドの家族も言います。
「一ノ谷がそうだね」
「僕達が今住んでいる兵庫県のことだったね」
「烏天狗に稽古をつけてもらって」
 このことはトートーが言いました。
「それから奥州に行って」
「それで馬術を身に着けて」
 そうしてと言うジップでした。
「馬を使った戦い方も身に着けたね」
「義経さんを育てた地でもあるのね」
 ダブダブは史跡を見回して言いました。
「ここは」
「ううん、ここに義経さんがいたんだ」 
 チーチーの言葉は感慨深げなものでした。
「そうなんだね」
「そこに僕達が今いるんだ」
「義経さん達がいた場所に」
 オシツオサレツも二つの頭で感慨に耽っています。
「奥州藤原氏の人達がいて」
「義経さんもだね」
「義経さんは可哀想だね」
 こう言ったのはガブガブでした。
「本当に」
「よく言われるけれど」 
 ホワイティもしんみりしています。
「悲劇のヒーローだね」
「けれどあの人を育てた場所ねここは」 
 ポリネシアはこのことに思うのでした。
「そうなのね」
「若し平和だったら」
 ジップはあの時代がそうだったらと思うのでした。
「ああならなかったかもね」
「そうだね、義経さんも当時の戦の作法を破ることをしているけれど」
 それでもとです、先生は皆にお話しました。
「頼朝さんに粛清されたことを思うと」
「残念だね」
「義経さんに落ち度があっても」
「それでもね」
「平清盛さんは滅多に人を殺さなかったよ」
 先生は源氏と戦ったこの人のことも言いました。
「敵でもね」
「そうそう、実はね」
「清盛さんはそうだね」
「事実頼朝さんも義経さんも助けてるし」
「その実はね」
「あの人は悪人とされているけれど」
 それでもというのです。
「平家物語とかでね」
「けれどその実はね」
「優しい人で」
「流れる血は最低限でもいいとして」
「身内や家臣の人は叱ってもそれだけだったね」
「清盛さんが怒って終わらせることをね」
 そうしたことをというのです。
「頼朝さんは殺すからね」
「弁明も聞かないでね」
「それを機と見て」
「もうすぐに殺すよね、あの人」
「それも一族郎党」
「それで源氏は誰もいなくなったしね」 
 身内同士で殺し合った結果です。
「その後幕府の実権を握った北条家もだよ」
「何か邪魔な御家人滅ぼしてばかりで」
「よくないって言ってたね」
「先生前にそう言ってたわね」
「そうなんだ、確かに世界の歴史ではあることだけれど」 
 頼朝さんや北条氏の様な振る舞いはです。 
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