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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその三

「終わりだ」
「最早戦争自体の敗北が」
「決してしまう」
 ティムールの敗北でというのだ。
「そうなってしまう」
「だからこそ」
「第一は戦争だ」
「それに勝つことですね」
「その為の今の施設だしな」
「施設は絶対ですが」
「それは何の為か」
 それをというのだ。
「考えていくとな」
「ここで倒れてはですね」
「過労だな、それはな」
「なってはならないですね」
「いざという時過労ではな」
 そうなってはというのだ。
「戦えるものか」
「到底ですね」
「そうなるからだ」 
 それでというのだ。
「ここはだ」
「休養もですね」
「摂っていかないとならない」
「激務であろうとも」
「施設も勝利の為だからな」
「それならば戦闘の時にですね」
「戦えなくては意味がないからな」
 それ故にというのだ。
「英気はだ」
「養っておくことですね」
「過労にはな」
「ならない様に」
「疲れは取っていく、だから休養もしていこう」
「酸素タンクの中で」
「若し酸素タンクがなければ」
 中佐は少佐にこうも言った。
「何時間か、出来れば八時間だな」
「それだけはですね」
「休まないとならなかった」
「睡眠はそれだけ必要でしたね」
「だからだ」
 そうなるからだというのだ。
「酸素タンクがないとな」
「我々はより多くの時間の休養が必要になっていて」
「施設を優先させれば」
 その場合はというと。
「疲労が蓄積してな」
「戦闘に支障を及ぼしかねず」
「そして睡眠を多く摂るとな」
 この場合はというと。
「施設に支障が出る」
「そうなりかねませんね」
「文明の利器があってよかった」
 酸素タンクというそれがというのだ、中佐はこれがあることに対してアッラーに心から感謝の気持ちを感じつつ述べた。
「まことにな」
「さもないと」
「色々難しいことになっていた」
「休養か任務か」
「その二択になっていた、任務優先でもだ」
「最終目的を達成出来ねば」
「何の意味もない、ソ連軍ならだ」
 第二次大戦の時のこの軍隊ならというと。
「平気で任務を優先させてだ」
「将兵達は不眠不休ですね」
「そうさせていた」
「人命が人権が最も軽い軍隊だったので」
「だからそうしたが」
「我々はソ連軍ではない」
「あの軍隊の真似はしてはならない」 
 絶対にとだ、中佐も述べた。 
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