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八条学園騒動記

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第六百八十二話 マイナー国家の中のマイナー国家としてその十三

「キャビアとかフォアグラとか」
「連合じゃ何でもないものだね」
「普通に養殖してるしね」
 ただしフォアグラはこの時代ではただ太らせてるだけで無理に身体を動かせないで無理矢理食べさせる様なことはしていない、虐待とみなされるからだ。
「トリュフだって」
「けれどあちらではね」
「そうした技術も連合程じゃなくて」
「高価だけれど」
「その高価なものばかりを」
「お腹一杯ね」
「時間をかけて食べるんだ」
「最高級のワインも飲んで」 
 エウロパの中でだ。
「そうしてるのよ」
「ふざけてるね」
 ここまで聞いてだ、トムは怒った顔で言った。
「エウロパらしいけれど」
「貴族よね」
「それでもね」
「ふざけているわね」
「全くだよ、平民を搾取してね」
「自分達だけはよ」
「そんな暮らししているなんて」
 そうしたことはというのだ。
「本当にね」
「間違っているわね」
「それを間違っているって言わないと」
 さもないと、というのだ。
「何が間違っているのか」
「そうよね」
「うん、本当にね」 
 トムもそれはと答えた。
「そう思うよ」
「搾取なんてね」
「絶対に許したらいけないよ」
「そのうえでご馳走食べて」
「優雅なスローライフなんてね」
「スローライフもよ」
 メアリーは連合の考えから述べた。
「自分でお金を稼いで」
「自分でやっていく」
「何でも他の人にさせてとか」
「本物のスローライフじゃないね」
「まさに貴族のよ」
 そう呼ばれる者達のというのだ。
「間違ったね」
「暮らしだね」
「そうよ」
 こう言うのだった。
「本当にね」
「そうだよね、貴族なんてね」
「そうした連中ってことよ」
「全くだね」
 トムはメアリーの言葉に頷いた。
「真のスローライフじゃないよ」
「真のスローライフは何か」
 シッドは言った。
「やっぱりあれだよね」
「そう、自分でお金を稼いでね」
「働いてね」
「そしてね」
 メアリーはシッドにも話した。
「そのうえでよ」
「家事とかも全部する」
「そうしてやるものよ」
「そうだよね」
「というか食事に二時間って」
「かかるかな」
「どんなにかかっても」
 メアリーは考えつつ言った。
「一時間よね」
「食べる時間はね」
「普通に食べたら」
「宴会とかなら別だけれど」
「それでもね」
「普通はね」
 家族での食事でもというのだ。 
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