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ドリトル先生とタキタロウ

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第六幕その三

「まだ子供の娘さんが泣いていたらね」
「どうしたの?」
「そんな理由で命粗末にする人だから碌なことしないね」
「残念だけれどそれがわかるわ」
「よくね」
「うん、猫と旅行どっちか選べって怒鳴ってね」 
 そうしてというのです。
「娘さんに捨てることを選ばせたんだよ」
「もう人間じゃないね」
「人間の心ないね」
「鬼か悪魔だね」
「物凄い冷酷さだね」
「それで母親も酷くて」
 父親だけでなくというのです。
「猫はまた新しいの飼うって言ったんだ」
「それでまた旅行に行く時捨てるんだ」
「冗談抜きで命何と思ってるのかな」
「そんな両親持って娘さん大丈夫?」
「まともに育つ?」
「心配だね、ただこの両親とは絶対に付き合ったら駄目だよ」 
 先生は断言しました。
「命をそこまで粗末に出来て娘さんにそんなこと言える人達なんてね」
「しかも自分の下らない欲の為にね」
「そんなこと平気でする人達なんてね」
「何するかわからないわ」
「自分達の都合でね」
「そう、自分達の下らない理由でね」
 そうしたものでとうのです。
「誰でも平気で裏切って切り捨てるよ、そして逆にね」
「都合がよくなったらね」
「前に何してもへらへらと近寄って来るね」
「そうして利用しようとするね」
「そうだね」
「そんな人達だから」
 それでというのです。
「どんな悪事も躊躇なくするからね」
「自分の都合でね」
「ばれないと何でもするね」
「そんな人達は」
「それこそ」
「生粋の悪人だよ」
 先生はまた断言しました。
「そうした人達は」
「そうだね」
 老馬も怒った声で言います。
「本当に自分しかないね」
「それこそ娘さんでも誰でも利用するだけね」
 ダブダブもかなり怒っています。
「自分以外は何でもないのよ」
「もう他の命なんかどうでもいい」
「それで捨てても利用しても平気」
 オシツオサレツも怒っています。
「暖かさなんかない」
「それも微塵もね」
「人に近寄るのは利用するだけ」
 ジップにもわかりました。
「感謝もしないし恩義にも感じないね」
「絶対に何かあったら裏切って背中からでも撃ってくるね」
「そうしても何も思わない人達ね」
 チープサイドの家族も断言しました。
「どんな悪事をしても全く平気」
「命なんてものと同じでね」
「いや、ふわりの前の飼い主の人達も酷かったけれど」
 チーチーは言葉がないという感じです。
「その人達は邪悪さしかないね」
「あの人達は餓鬼だったけれど」
 トートーはまずふわりの前の家族からお話しました。
「その人達は地獄に堕ちるね」
「可能なら娘さんにお前が自分達の代わりに地獄に行けって言うわね」
 ポリネシアは確信しました。
「親が地獄に行ってもいいかって言って」
「そうした人達って閻魔さんの前でも言うね」 
 ガブガブもいつもの陽気さはありませんでした、怒っています。 
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