| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十三話 夏祭りその八

「着るわ」
「一華っていつもそうよね」
「いつもって?」
「ガード固いわね、冷え性のこともあって」
「露出しないっていうのね」
「ミニスカート穿いてもね」
 実は一華はこの服を好きでよく身に着けている。
「その下に半ズボンとか穿くわね」
「だってミニだと見えるし」
 理虹にむっとした顔で応えた。
「それに私冷え性だから」
「冷えない様によね」
「冬はミニの下にスパッツとか」
「よく穿いてるわね」
「ストッキングだと寒いから」
 それでというのだ。
「スパッツをね」
「穿いてよね」
「見えない様にして」
 それと共にというのだ。
「冷えない様にもよ」
「してるのね」
「そうよ、特に見えない様に」
 その様にというのだ。
「しているのよ」
「あんたはそうよね」
「そうよ、ちゃんと穿いて」
 そしてというのだ。
「見えない様冷えない様にね」
「しているのね」
「だから合宿の時も」
「そうするのね」
「ええ、浴衣の下にシャツと半ズボンをね」
「着て」
「それではだけてもいい様にするわ」
 強い声で語った。
「絶対にね」
「それがいいと思うけれど」 
 かな恵は一華の話を聞いてどうかという顔で言った。
「ちょっと面白くないかも」
「浴衣の下に服着てたら?」
「半ズボンまでならいいけれど」
「シャツもってなると」
「ティーシャツでしょ」
「ええ、それだけれど」
「半ズボンとティーシャツも露出あるけれど」
 それでもというのだ。
「浴衣って生地が薄くて一見露出なくて」
「はだけやすくて?」
「それ一枚の下っていうのが絶妙にね」
 一華に面白そうに笑って話した。
「エロいっていうか悩ましいっていうか」
「そこがいいっていうの」
「下着が見えそうっていうのがね」
 そうしたことがというのだ。
「いいけれど」
「だから私は露出はよ」
 一華は目をむっとさせて口をへの字にさせて応えた、かな恵に対してその顔でさらに言っていくのだった。
「嫌だし」
「冷えない様にもなのね」
「そうしたいのよ、大体見せてね」
 浴衣がはだけてというのだ。
「得するのはね」
「男の子かそうした趣味の娘だけね」
「そうしたものは彼氏さんだけにね」
「見せるものね」
「そうよ、ある程度仲が進んで」
 そうなってというのだ。
「それからよ」
「見せるものね」
「だからね」
「合宿の時はなのね」
「絶対にそうするから」
「何があっても?」
「浴衣の下にそういうの着るなって誰も言わないでしょ」
「そんなことはね」
 それはとだ、かな恵も答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧