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レーヴァティン

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第二百七十九話 蘇る世界その四

「お前も感情を出すか」
「俺も人間は」
 英雄は今は無表情で答えた。
「だからな」
「感情を出すか」
「感情を持っているからな」
「人間だからか」
「そうだ、命があればだ」
 それでというのだ。
「感情もあるな」
「それはな」
「そしてそれはだ」
「お前もか」
「それでだ」
「お前も笑うんだな」
「そうだ、だからな」
 それ故にというのだ。
「今はそうした」
「嬉しいか」
「長かった、最初は二人が出会ってな」
「ああ、あの時からな」
「旅をしてな」
「それぞれの浮島に別れてな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「それぞれの浮島で仲間を集めてな」
「旗揚げをしてだ」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「統一までしてな」
「それからだ」
「海の魔物の正体を突き止めてな」
「クトゥルフだとな」
「そして戦の準備をしてな」
「倒した、ここまでだ」
 これまでのことを振り返って言うのだった。英雄はそれを走馬灯の様に頭の中に浮かび上がらせつつ話した。
「長かった、そしてだ」
「遂にだな」
「やり遂げた」
「そう思ってだな」
「感慨が込み上がってきてな」
「笑ったか」
「そうなった」
 こう言うのだった。
「実にな」
「そうなんだな」
「そうだ、本当にな」
 英雄はさらに話した。
「やった、俺達のやるべきことをな」
「そうだな、しかしな」
「ああ、この世界を襲う危機はな」
「むしろこれからだ」
「退けることだ」
「そうらしいな、そしてな」
「俺達はだ」
 久志に話した。
「やるべきことはやった、この世界でな」
「その危機に向かわないな」
「俺達は引き続きだ」
「二つの浮島を治めていく」
「そうなるな」
「ならだ」
 英雄は話を続けた。
「これからはな」
「二つの浮島を治めていこうな」
「そうしていく、俺達二十六人でな」
「そうしような」
「平和にな」
「それは絶対だな、あとな」
 久志は英雄に笑ってこんなことも言った。
「世界が動きはじめたけれどな」
「海から出て石から戻りな」
「バラバラだな」
「街や単位だな」
「ああ、それでな」
 英雄にその世界を見つつ話した。 
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