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レーヴァティン

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第二百七十九話 蘇る世界その三

「やはり一つの種族だけだとな」
「そこにいるのがな」
「居づらくてな」
「去っていったな」
「文明は進歩したが」
「そこは変わらないな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「二つの浮島はだ」
「人間しかいないな」
「人はな」
「そうなっている、あくまでだ」
「この世界じゃ特異な場所だな」
「そうだ、だからな」
 それでというのだ。
「他の場所にはだ」
「色々な人がいるな」
「エルフもドワーフもいればな」
 そうしてというのだ。
「犬人も猫人もいてだ」
「何十もの種族がいるな」
「そうなっている」
「だから人もか」
「あの様にだ」
 まさにというのだ。
「今は石になっているが」
「多くの人がだ」
「いるな」
「そうだ」
 この世界はというのだ。
「そうなっている」
「そしてその人もだな」
「これからだ」
「石からか」
「元に戻る」
「それもあと少しだな」
「そうなる」
 こう言った、そしてだった。
 今まさに石だった人それに他のあらゆる命がだった。
 石から生身になっていった、それは草木もであり。
 元の姿に戻り動き出した、それは地上だけでなく空も水の中でもだった。海から出た世界は命満ちるものになった。
 それを見てだ、久志は笑顔で話した。
「いいものだな」
「そうだな」
 英雄も口元を綻ばせていた、そのうえでの言葉だ。
「やったな」
「ああ、俺達はな」
「世界を救った」
「そうだな」
「俺達のやるべきことをな」
「そうしたな、しかしな」
 久志はここで英雄の顔を見て笑顔で話した。
「お前そうした顔も出来るんだな」
「俺がか」
「ああ、今ほんの少しでもな」
 それでもというのだ。
「笑ってるぜ」
「それがか」
「ああ、いつも表情がなくてな」
「顔も声もだな」
「感情を出すなんてな」
 そうしたことはというのだ。
「ないってな」
「思っていたか」
「そうだったからな」
 それでというのだ。
「今笑ってるのを見てな」
「驚いているか」
「驚いてはいないけれどな」 
 それでもというのだ。
「そうした顔も出来るんだってな」
「思ったか」
「ああ」 
 久志は明るく笑って話した。 
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