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夢幻水滸伝

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第二百七十二話 海南省のことその十一

「規律が行き届いた軍はやはり強いです」
「そやからですね」
「これまでよりも遥かにです」
「征伐も進み」
「海口の周辺だけでなく」
 市長は自分の管轄区域の話からした。
「勢力圏全体の治安がです」
「よくなりましたね」
「はい」
 まさにという返事だった。
「お陰で茅様の人気がさらにです」
「上がりましたか」
「そうなりました」
「ではです」
 茅は市長の言葉を受けて冷静な声で述べた。
「これからは」
「勢力圏の外側にある街や村にですか」
「人を送って誘いましょう」
「こちらに入る様にと」
「こちらの状況は伝わっていますね」
「噂になっています」
 市長は即座に答えた。
「豊かであり」
「治安もよく」
「そしてですね」
「軍は強いと」
「ではです」
 ここまで聞いてだ、茅はあらためて述べた。
「これよりです」
「周辺の街や村といった諸勢力にですね」
「こちらに入る様にです」
「誘いをかけますね」
「そして彼等もです」
「その様に治めていきますね」
「はい、そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「海南省の統一をです」
「進められますね」
「そうします」
 こう答えた。
「戦でやってくより迅速に進みますし」
「左様ですね、戦はです」
 市長もそれはと答えた。
「準備にです」
「軍を動かして戦って」
「その処理もです」
 それもあってというのだ。
「時間がかかります、しかも」
「お金もかなり使い」
「戦禍が酷いです」
「そう考えてです」
 茅は市長に答えた。
「おら様もです」
「戦よりもですね」
「話で、です」
 それを以てというのだ。
「勢力を拡大させたいです」
「そうお考えですね」
「はい、ではです」
「街や村にですね」
「人をやっていきましょう」
「そのうえでの勢力拡大を進めていきますね」
「そうしていきます」
 こう言ってだった。
 茅はそれぞれの街や村の内政を整えていってだった。
 勢力圏周辺の諸勢力に使者を送り自分達の勢力に降る様に勧めていき入った者達に自分の政を導入していき。
 豊かにし治安をよくしてだった。
 かつそれぞれの街や村をリンクさせもしていったのだった。
「道を整えてですか」
「それで鉄道も敷き」
「港も充実させて」
「浮島にも勢力を及ばせていっていますね」
「はい、勢力拡大はです」
 これはとだ、茅は役人達に話した。 
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