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星河の覇皇

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第八十三部第一章 防衛ライン到達その二十

「そしてその連合軍もな」
「護送船団を行っていますね」
「さもないと輸送船なぞだ」
「あれだけ楽な獲物はないですね」
「しかも沈めれば多くのものを得られる」
 敵の物資、それを破壊出来るからだ。如何なる軍隊も物資がなければ戦うことなぞ出来る筈がないからだ。
「これだけいいものはない」
「左様ですね」
「だからだ、この場合はだ」
「英断ですね」
「ロイド=ジョージのな」 
 まさに彼のというのだ。
「それだ」
「左様ですね」
「だからだ」 
 それでというのだ。
「いい場合もある」
「そこは様々ですね」
「若しあの時ロイド=ジョージがそう決めてだ」
「海軍の反対を押し切らねば」
「イギリスは勝てただろうが」
 それでもというのだ。
「多くの犠牲を出していた」
「より多くのですね」
「そうなっていた、そう思うとな」
「この場合はいいのですね」
「そうした場合もある、だが」
「往々にしてですね」
「そうはいかない」
 一次大戦のイギリスの様にはというのだ。
「やはり恐ろしい過ちの元凶となる」
「左様ですね」
「だからだ」
「それはすべきでないですね」
「軍人に任せることだ」
 戦場でのことはというのだ。
「まさに余計なことはせずな」
「見ていればいいのですね」
「そうだ、そしてサハラの歴史でもな」
「そうした介入は多かったですね」
「その多くが敗戦に至っている」
 戦場での敗北につながってだ。
「そうなるからな」
「だからですね」
「戦場は軍人のものだ、国家元首は軍人が罪を犯せばだ」
「その処罰を行う」
「それ位だ、国家戦略は立てるが」
「政治として」
「それはするが戦場はまことにな」
 実際の戦闘はというのだ。
「軍人のものだ、スーツを着ている者はだ」
「即ち文民は」
「介入してはならないしいることもだ」
「よくないですね」
「戦場で捕虜になれる者は国際法で定められている」
「指定された軍服を着ている者ですね」
「即ち軍人だけだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「軍人ではないのならな」
「戦場にいてもならないですね」
「文民統制でもな」
「連合の様に」
「それぞれの職業の本分を考えろということだ」
「要するに、ですね」
「そういうことだ、文民統制というが」
 アッディーンはこの考えについてさらに話した。
「文民は軍人より上の位置にあるか」
「それは違いますね」
「文民も軍人も人間だ」
「即ちアッラーの下にある」
「何の違いがある、偉大なるアッラーの前ではだ」
 それこそとだ、アッディーンは話した。これこそがサハラの中での人間は平等であるという考えの基礎だ。 
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