夢幻水滸伝
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第二百六十八話 血流の如くその八
「第一はな」
「麦ですね」
「それを使った食いもんやな」
「麺や餅それに包ですね」
「饅頭もな」
こちらもというのだ。
「そうなってるな」
「そうですね、ただです」
ここで麒麟は難しい顔で話した。
「冷たいものはです」
「それな」
まさにとだ、羅は応えた。
「何といってもな」
「食べてはなりません」
「この世界の中国ではな」
「冷たいものは食べないですね」
「それがどうしてもや」
「ありますね」
「戦の場でもな」
戦の時もというのだ。
「相当やないとな
「冷たいものは食べないです」
「そして食べさせられん」
「どうしても」
「それを食うのは罪人や」
冷えたものを食べる者はというのだ。
「他の誰もや」
「食べへんですね」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「戦場の飯もな」
「温かいものです」
「それやないとあかん」
「そうですね」
「そこが結構難しい」
中国のこの食文化がというのだ。
「戦の場でも温かいもん食うとなるとな」
「どうしても」
「そこをどう工夫するか」
「常に頭を悩ませます」
「戦においてな」
「果物位は食べますが」
それでもとだ、麒麟は話した。
「しかしや」
「それでもな」
「中々です」
戦場でもというのだ。
「冷えたものが受付られないということは」
「難しい、缶詰があってもな」
「その中のものは温かくしないとです」
「食べんからな」
「それが中国ですね」
「この世界でもな、そやから鍋や鉄板の用意もや」
煮たり焼く即ち温かい料理を食べる為の調理具もというのだ。
「やっぱりな」
「必要ですね」
「そやからいつもな」
それこそというのだ。
「備えてるしな」
「この度もですね」
「大雨の中でもな」
それでもというのだ。
「ちゃんとな」
「食べられる様にしますね」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「戦うで」
「わかりました」
「まあ刺身もな」
羅は笑ってこの料理の話もした。
「美味いけどな」
「ご主人様も時々召し上がられていますね」
「鯉とかな」
「一旦冷凍させてから」
「あれはそうせんとな」
「危ないからですね」
「そもそも何で中国で温かいものが喜ばれるか」
そうした食べものがというのだ。
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