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X ーthe another storyー

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第二話 来訪その三

「そうなってだ」
「人を寄せ付けなくて」
「まさにな」
「そうなの」
「今はな、しかしだ」
「しかし?」
「お前達はその神威を受け入れてだ」
 そうしてというのだ。
「一緒にいることだ」
「一緒にか」
「そうすることなの」
「そうだ、特にだ」
 小鳥を見て話した。
「お前はな」
「私は?」
「若しかするとお前はずっと神威の傍にいてだ」
 小鳥にさらに話した。
「神威を支える力になるかも知れない」
「私が神威ちゃんの」
「生きてな」
 そうしてというのだ。
「そうなるかも知れない」
「生きてって」
「その時が来ればわかる」
 またこう言った。
「やがてな」
「そうなの」
「そうだ、そしてだ」
 今度は封真を見て話した。
「お前は神威と向かい合うことになろうとも」
「それでもなんだ」
「やがてはな」
「神威の傍にいる」
「それに戻るかも知れない」
「俺はそうなるんだ」
「そうだ、そしてお前達は人間だ」
 鏡護はこうも言った。
「このことは覚えてくことだ」
「人間であることは」
「そうだ」
 こうも言うのだった。
「何があってもな」
「けれどそれは」
「当然じゃないかしら」
 封真も小鳥も自分達の父の人間という言葉にはこう返した、表情はいぶかしむものになっている。そのうえでの言葉だった。
「もうね」
「言うまでもないんじゃ」
「いや、言っておく」
 それでもと言うのだった。
「人間は心が人間ならだ」
「人間なんだ」
「そうなの」
「そうだ、そしてだ」
 そうしてと言うのだった。
「お前達は人間であるなら地球も救える」
「地球も?」
「そうだ、人間は地球を穢しもするが」
 それと共にというのだ。
「救える、誰もな」
「そうしたものなの」
「このことも覚えておいてくれ」
「父さん、もうさっきから言ってることがわからないんだが」
 封真は父に顔を曇らせて答えた。
「本当に」
「そうだろうな」
 それはわかっているという返事だった。
「わしも今はお前達がわかるとは思っていない」
「それでも言うんだ」
「やがてわかることだ」
 そうだというのだ。 
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