| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその四十一

「あの兵器についてもです」
「大丈夫ですか」
「あの様な敗北には至らない」
「そうでしたか」
「私が思うには」
 八条個人の主観であるがというのだ。
「あの方ならです」
「見破られて」
「そして、ですか」
「オムダーマン軍のあの兵器を破る」
「そうされていましたか」
「そして戦線もです」
 国境にあったそれもというのだ。
「持ち堪えていたでしょう、そして若しもです」
「若しも?」
「若しもといいますと」
「オムダーマン軍に隙が出来れば」
 その時はというのだ。
「必ずです」
「そこを衝いて」
「そうしてですか」
「オムダーマン軍を破っていた」
「そうでしたか」
「はい、そうなっていました」
 確実にというのだ。
「あの方は」
「左様でしたか」
「それではですね」
「次の会戦もシャイターン主席にかかっていますか」
「ティムール軍は」
「オムダーマン軍もそうですが」
 この軍隊然りというのだ。
「ティムール軍もです」
「シャイターン主席にかかっていますか」
「オムダーマン軍がアッディーン大統領にかかっている様に」
「ティムール軍もシャイターン主席にかかっていますね」
「あの方に」
「両軍共司令官も参謀もいいのですが」
 その質は高いというのだ。
「ですが」
「それでもですか」
「両軍共、ですか」
「総司令官の存在が大きい」
「国家元首であるお二方の」
「そうです、ですからティムール軍は」
 この軍はというのだ。
「次もシャイターン主席が不調なら」
「敗れる」
「そうなりますか」
「そして次に敗れれば」
「その時は」
「ティムールの統一はほぼです」
 絶対にではないがというのだ。
「なくなります」
「そうなってしまいますか」
「若し次に敗れれば」
「その時は」
「あの方はおられないのではないのか」
 こうもだ、八条は言った。
「そう考えた時もありましたが」
「流石にですね」
「それはないですね」
「シャイターン主席が戦場に不在であることは」
「有り得ないですね」
「流石に」
「そうです、考えなおしてみますと」
 ティムール軍の状況からというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧