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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその二十六

「もう出来ればと」
「天理高校になのね」
「行きたいと思っていまして」
 それでというのです。
「受験勉強もその前からコツコツと」
「勉強してたのね」
「そうでした」
「何かね」
 私は新一君のお話を聞いて首を傾げさせてしまいました、そのうえでこの子に考えながら言いました。
「そこまで勉強していたら」
「もっといい高校にですか」
「行けたんじゃないの?」
「そうかも知れないですが」
「それでもなの」
「僕としては」
「天理高校になのね」
 新一君に言いました。
「行きたくてなのね」
「勉強してました」
「他の高校は考えなかったのね」
「全く」
「これもお引き寄せかしら」
 お話を聞いて思いました。
「そうなるのかしら」
「そうだと思います、親戚の大叔母さんも言ってます」
「いつも言ってる人ね」
「僕はお祖母さんが三人いて」
「その大叔母さんもなの」
「もう一人の大叔母さんもそうで」
 それでというのです。
「母方のお祖母ちゃんも」
「お祖母さんは三人なのね」
「はい、僕はそうなんです」
「そうなのね」
 確か父方のお祖母さんもまだおられる筈ですが聞きませんでした、もうこの子の癖性分はわかっているので。
 嫌いになったら全否定して徹底的に嫌い抜く、この子のそうした癖性分のことも考えつつ言いました。
「お二人じゃなくて」
「僕は三人です、けっこうなことですね」
「そうね、よくしてくれる親戚の人が多いことはね」
 それならです。 
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