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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその二十五

「それであの大教会のね」
「近くですね、確かに」
「あの大社にも案内してくれるのね」
「先輩さえよければ」
 こう私に答えてくれました。
「そうさせてもらいます」
「じゃあ宜しくね」
「はい、その時は」
 何か凄く嬉しそうな返事でした、そしてこうも言いました。
「楽しみにしています」
「楽しみなの」
「凄く」
「そうなのね」
「はい、それでなんですが」
「それで?」
「大学の校舎は母屋ですけれど」 
 このことを言ってきました。
「すぐ近くに小学校や幼稚園もあって」
「そちらも母屋なのよね」
「そうですよね」
「それで博物館もね」 
 こちらもです。
「そうなのよね」
「母屋にありますね」
「それもすぐ傍にあるから」
 だからです。
「お勉強するのに最適なのよ」
「いい環境ですね」
「高校でも同じなのよね」
 お勉強するにあたっていい環境であることはです。
「天理大学も天理高校も」
「設備がいいですからね」
「他の学校と比べても」 
「かなりいいですね」
「そう思うわ」
「じゃあやっぱり大学は」
 新一君はあらためて言いました。
「天理大学にします」
「宗教学科行くのね」
「そのつもりです」
「そこまでおみちに熱くなるなんて」
 私は少し思いました。
「普通のお家の子じゃね」
「ちょっとないんですね」
「ええ、公立は考えなかったのね」
「そうですね、滑り止めは受けてましたけれど」
 それでもというのです。 
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