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ドリトル先生とタキタロウ

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第二幕その一

                第二幕  外ならぬその湖に
 イワナを食べた次の日にでした。
 先生は研究室で今度はタキタロウ自身についてインターネットで検索してそのうえで学んでいました。
 そうしていて動物の皆にお話しました。
「タキタロウは大鳥池に棲息しているね」
「山形県のね」
「そちらにいるんだよね」
「そうよね」
「大鳥池はお池というけれど湖でね」
 そちらでというのです。
「結構大きいんだ」
「だから大きなお魚もいられるんだね」
「タキタロウみたいなお魚が」
「そうした場所なのね」
「そうなんだ、それで鶴岡市というところにあって」
 その詳しい場所のお話もします。
「山に囲まれてるんだ」
「そこネス湖と同じかしら」
「ネス湖も山に囲まれているし」
「それじゃね」
「そこは似てるね」
「寒冷地にあるのも一緒だね、けれどね」  
 それでもというのです。
「お水の中だしね」
「寒くてもいられるね」
「それにイワナかマスっていうから」
「どちらも寒い場所のお魚だし」
「大丈夫なんだね」
「そうだよ、それでね」
 先生はパソコンの画面を観つつさらにお話します。
「数自体は少ないみたいだね」
「だから見たって人も少ないんだね」
「おられることはおられても」
「それでもだね」
「個体数が少ないから」
「見た人も少ないんだね」
「一つの種類が存続するには最低でも十つがい二十頭が必要だけれど」
 先生は生物学でよく言われていることもお話に出しました。
「少なくともそれ位は棲息していても」
「それでもなんだ」
「数は少なくて」
「それでその大鳥池にしかいないんだ」
「そうなのね」
「そうみたいだね、他の場所では目撃例がないみたいだね」 
 調べてもありませんでした。
「どうも」
「じゃああのお池にいるだけで」
「あのお池を調べたらタキタロウのこともわかる」
「そうなんだね」
「そうだね、本当にいることは間違いないよ」
 その大鳥池にです。
「それでこのお池は日本にはよくあるけれど」
「山に囲まれていて」
「ちょっと行きにくい場所だね」
「それで寒い」
「そうした場所にあるのね」
「そして大鳥池は堰き止め湖なんだ」
 このこともお話しました。
「閉鎖的な湖なんだ」
「ああ、川がない」
「そうした湖ね」
「大鳥池ってそうした意味でも隔絶してるんだ」
「そうした場所なのね」
「うん、ただ川はあって」
 それでというのです。
「赤川とつながってはいるよ」
「完全に隔絶されていないんだね」
「他の場所と」
「お水は止まっていないんだ」
「だからお水の質は悪くないみたいだね」
 川とつながっているからだというのです。 
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