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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第102話 予想していなかった再会!切れ味勝負、イッセーのナイフVS聖王剣コールブランド!後編

 
前書き
 ドライグの能力の一つである透過にちょっと設定を足しましたのでお願いします。 

 
side:イッセー


 アーサーと共に異空間に入った俺は広い空間で奴と対峙していた。ルフェイの兄貴とはいえ実力は間違いなく俺より上……舐めてかかれる相手じゃねえ。


 俺は赤龍帝の籠手を出していつでも戦えるように構える。


「赤龍帝の籠手……(なるほど、通りでヴァーリが気にするわけですね。まあそれだけではないのでしょうが……)」


 アーサーは俺の赤龍帝の籠手を見てボソッとそう呟いた。


「やはり知っていたのか。D×D側の人間だもんな」
「D×D……?貴方たちは向こうの世界をそう呼んでいるのですか。因みにこちら側は何と呼んでいるのですか」
「G×Gだ」
「なるほど、良い呼び方ですね。今度から私も使わせてもらいます」


 何故か褒められたが向こうのセンスにも良いと思われたのか?付けたのはリアスさんだが敵にも好評とはな。


「まずはこちらでお相手させてもらいますよ」
「あん?コールブランドは使わないのか?」


 アーサーはコールブランドを空間にしまうと代わりに新たな聖剣を取り出した。


「貴方が聖王剣を使うに値するかのテストですよ。それにこれも唯の剣ではありません、最強のエクスカリバーと言われた支配の聖剣です」
「支配の聖剣……ゼノヴィアとイリナが言っていた失われた聖剣か。なるほど、凄まじい力を感じるな」


 以前ゼノヴィアとイリナから現在教会が探している失われたエクスカリバーの話を聞いたことがあるんだけど、どうやらアレがそのエクスカリバーみたいだな。


 話ではその聖剣が最強と言われるほど強いらしい。だが……


「どうしてその失われたエクスカリバーをお前が持ってるんだ?D×Dから持ち込んだのか?」
「いいえ、この支配の聖剣はグルメ界で手に入れたのですよ」
「グルメ界で?」
「別に不思議な話ではないでしょう?貴方や私がこうして異世界にいるのです、この聖剣の前の所有者がG×Gに紛れ込んでいてもおかしくない」
「なるほどな……」


 猛獣が聖剣を食べる訳が無いし残っていても不思議じゃないか。ただ所有者は死んでしまったのかもしれないな。


「如何に最強のエクスカリバーを持っていようとグルメ界には通用しません。あそこはまさに地獄という言葉そのもの……生半可な覚悟では到底生きていけない」


 アーサーはそう言うと支配の聖剣を俺に突き付けてくる。


「貴方はどうでしょうね、グルメ界に入る資格があるのでしょうか?」
「なら試してやるよ、先にグルメ界に入ったアンタに採点してもらえれば分かりやすいからな」


 俺はナイフの構えをしてアーサーと対峙する。


『イッセー、気を付けろ。支配の聖剣は生物や現象、環境など様々なものを自在に操ることが出来る。アレで直に斬られてしまえばお前も操られてしまうぞ』
「なるほど、刀身には触れられないって事か」


 ドライグのアドバイスを聞いて俺は赤龍帝の鎧を纏った。本来あまり禁手には頼りたくないのだがこの男は間違いなく格上だ、使わない方が舐めている。


「いくぞ……!」
「いつでもどうぞ」


 俺は格上を前にして緊張で汗をかき始めた、相手の隙を伺いながらじりじりと接近していく。そしてある程度近づくと額から流れ出た汗が顎まで流れて地面に落ちていった。


「ナイフッ!」


 俺はそれを合図にして一気にアーサーに接近した。そしてナイフを斜め上から振り下ろした。


(予想よりも早い!)


 アーサーはそれを紙一重で回避したが先程までの余裕の表情は消えていた。俺は続けて一歩を踏み出して次の攻撃をしようとしたが……


「ッ!?」


 間一髪だった、俺の鼻先を剣が霞めていったんだ。俺は直ぐに距離を取って様子を見るが……


「ぐっ……!」


 額から血が噴き出て俺の視界を真っ赤に染めた。鎧の防御ごと斬られるとは……!


「ふふっ、思っていた以上に早くてついギアを上げてしまいましたよ」


 アーサーはそう言うが余裕そうだった。


 完全に回避できなかった、あいつの速さこそ予想以上だ。もし本気なら俺は死んでいただろう。


『イッセー!体は何ともないのか!?』
「いや、特にはなにも……」


 支配の聖剣で傷を付けられれば操られるとドライグは言っていたが体に異常は感じなかった。


「ふむ、やはりグルメ細胞は面白い。この支配の聖剣に抗うとは」
「どういうことだ?」
「D×Dでは神ですら操れたこの支配の聖剣、故に最強と言われていました。しかしこの世界の猛獣には効果が無いこともあるのです。特にグルメ界の猛獣達は簡単に支配の聖剣の効果を打ち消してしまう。だからこそこの世界は面白い」

 
 どうやら支配の聖剣もグルメ細胞には効果が出にくいらしい。俺の中にいるオーガを思い出したがアイツが支配を受け入れる訳が無いしな。無限の食欲を持つ悪魔たちを支配は出来ないのだろう。


「そしてそれは強いグルメ細胞を持つ人間も同じ。貴方はどうやら支配を受け付けないようですね。ですがこの支配の聖剣は唯斬って支配するだけではありませんよ」


 アーサーはそう言うと辺りの空間をコールブランドで斬るとマグマや氷山など自然を出してきた。


「この自然は貴方が旅をしてきた場所のもの……マグマはウール火山、氷山はアイスヘルから持ってきました」
「はっ、態々懐かしい物を召喚してくれてどうしたんだ?俺の冒険談でも聞きたいのか?」
「それも興味ありますが今はこうするために出したのですよ」


 アーサーが支配の聖剣を振るうと何とマグマや氷山が形を変えて俺に襲い掛かってきた。支配の聖剣の力か!


「フライングナイフ!」


 俺はマグマの剣をフライングナイフで攻撃するがビクともしなかった。そのままマグマの剣が俺の背後に回って背中を焼き切った。


「がっ……!?」


 更に上から斧のように形を変えた氷山が俺に襲い掛かってきた。俺はそれを受け止めるが手を凍らされてしまった。そこにいつの間にか出していたのか雷が槍のような形になって俺を貫いた。


「がぁぁぁっ!!」
「その雷はベジタブルスカイ周辺にある積乱雲から呼び出しました。懐かしいでしょう?」
「くそっ……!」


 俺は必至になってマグマや氷山を攻撃するが効果がない、自然現象を物理的に破壊することは不可能だ。


 そのまま焼かれ、凍らされ、痺れさせられるなど好き放題にやられてしまう。俺はせめて氷山だけでも溶かしてやろうと炎を吐くがビクともしない。


「溶けないだと!?」
「支配の聖剣の力で形を固定しています。炎では溶けませんよ」
「ぐあぁぁぁぁっ!!」


 全身を攻撃されて俺は膝をついてしまう。くそっ、強いと思っていたがここまでとは……!


「どうしました?そのまま成すすべも無くやられてしまうつもりですか?だとしたらあまりにも興醒めです、貴方の力をもっと見せてください」


 アーサーの言う通りこのままではやられてしまうだろう。こうなったらあの能力を使うしかないか……!


 俺は向かってきたマグマの剣に拳を叩き込んだ。普通なら先程のように意味など無い行動だが……


「なに?」


 俺の放った拳がマグマの剣に当たると形を保てなくなり唯のマグマになった。背後から雷の槍が襲い掛かってきたがそれも回避して蹴りを当てた。すると唯の雷になって四散する。


 最後にフライングフォークで氷山の斧を攻撃する。すると斧は形を保てなくなり唯の氷山に戻った。


「……何をしたのですか?支配の聖剣の力が失われたようですが」
「手の内を敵に明かすわけ無いだろう」
「ふむ、つまり小細工は通じなくなったということですか。ならここからは直接相手をしましょう」


 アーサーはそう言うと支配の聖剣を振るい斬撃を放ってきた。


「ナイフ!」


 その攻撃をナイフでかき消して俺は沢山のフライングナイフとフォークを放った。


「そんなもの……!」


 アーサーは支配の聖剣を使って飛んできたフライングナイフとフォークを操ってそれらを纏めてこちらに返してきた。俺はある力を使ってまた支配の聖剣の力をかき消した。


「らぁっ!!」


 そして大きくなったフライングナイフとフォークを地面に向かってオーバーヘッドキックで蹴り飛ばした。地面にナイフとフォークが当たって砕けた地面の波面がアーサーに向かっていった。


「ぐっ、私にナイフやフォークを操らせたのは一つにまとめて威力を上げるためでしたか!しかもそれで攻撃するのではなく目つぶしに使うとは……!」」


 その隙をついて俺はアーサーに接近して死角から釘パンチを放つがアーサーはそれを読んでいたようで支配の聖剣でガードにかかる。


「しかし甘いですよ!その攻撃から出た衝撃を操って貴方にお返ししましょう!」


 そして剣と籠手がぶつかり……


「がほっ!?」


 釘パンチの衝撃がアーサーの腹部に炸裂した。アーサーは浸透していく衝撃に体を浮かしていき10回目の衝撃の影響で大きく吹き飛んで行った。


「はぁ……はぁ……時間が無かったから10連までしか溜められなかった……でも当てたぜ……!」


 俺は吹き飛んで行ったアーサーに視線を向けた。できれば15連までしたかったがあれ以上は溜めている隙が無かった、できればこれで勝負がついてほしいが……


「そんな訳にはいかないか……」


 アーサーは立ち上がり口についていた血を指で拭った。効いていないわけじゃないだろうがまだまだ戦えそうだな。


「フフッ、そういえば赤龍帝は『増加』以外にも能力がありましたね。今のはその一部でしょうか?」
「詳しいな、あんたの言う通りこれはドライグが生前に持っていた力の一つ『透過』だ。この力で支配の聖剣を透過してあんたに直接攻撃を叩き込んだんだ」
「透過……なるほど、先ほど自然物を元に戻したのは透過の力で支配の聖剣の力のみを打ち消したということですね」


 生前のドライグには様々な能力があった、力を上げる『増加』、力を他者に渡す『譲渡』……そして最近取り戻したのが『透過』の力だ。


 この透過の力は単純に言えばあらゆるモノを透過させることが出来る力だ。だから支配の聖剣を透過してアーサーに攻撃を当てることが出来たんだ。


 だが弱点もある、まず俺が使い慣れていないからかなりの集中力と体力を消耗するし連発は出来ない。


 更に防御してくる奴にはかなり効果的だが回避を主体にされると意味がなくなってしまう。あくまで透過させるだけで必中になるわけじゃないからな。


「しかし随分と赤龍帝に詳しいんだな。過去に赤龍帝と戦ったことがあるのか?まさかそんな見た目でお爺ちゃんなんじゃないよな?」


 俺は赤龍帝に詳しいアーサーにそう聞いた。俺が赤龍帝になってからアーサーとは会ったことがない。そうなれば先代辺りとでも戦ったと考えるのが普通だろう。


 しかしそれだとアーサーの年齢が見た目よりも高いことになってしまう。俺はまさかと思いそう聞いてみたわけだ。


「私は貴方とそこまで年は離れていませんよ。赤龍帝と戦うのは貴方が初めてですが二天龍とは何かと縁がありましてね、いつか出会うであろう赤龍帝の事は調べていただけですよ」
「二天龍と……?その言い方だと白龍皇には会ったことがあるのか?」
「さてどうでしょう」


 俺はアーサーの言葉に奴が過去に白龍皇と会ったことがあるのかと思った。まあ素直に教えてくれるわけがないとは分かっていたがな。


「自身の宿敵がそんなに気になりますか?しかし今は私に集中していただかないと困ります、なにせ私は今とても高ぶってきていますからね……!」


 アーサーは先程の柔らかな笑みではなくまるで肉食獣を思わせるような獰猛な笑みを浮かべた。よく見ると体も震えている、歓喜しているのか?


「この痛み…意識が飛びそうになったのは久しぶりですよ」
「その割にはピンピンしてるじゃないか」
「ふふっ、貴方はこの聖王剣を使うに値する人だと判断しました。コールブランドも喜んでいますよ、久しぶりに猛獣ではなく強い人間と戦えると……!」


 アーサーは支配の聖剣を空間にしまうと今度は聖王剣コールブランドを取り出した。


「さあ、楽しい時間にしましょう!」


 アーサーは先程よりもさらに速い速度で俺の背後に回りこんで斬りつけてきた。俺は直感でアーサーを感じ取りナイフで迎え撃った。


「ぐっ……!」
「ほう、斬れませんか!」


 ナイフとコールブランドが当たると手の部分の鎧が砕けて血が噴き出した。だが深く斬られてはおらずアーサーは嬉しそうにしていた。


「らあっ!」


 力任せにコールブランドごとアーサーを押し倒した。そのままマウントを取ろうとするがコールブランドの剣先が消えているのが目に映った。


「ッ!?」


 俺は直感的に死を感じ取りアーサーから離れる。その瞬間俺がさっきまでいた場所にコールブランドの剣先が現れて斬り付けていた。



「そうか、コールブランドは空間を切り裂く力がある!その力で空間を斬って俺の側に繋げたという訳か……!」


 すると前後左右上下から怒涛の斬撃が襲い掛かってきた。奴にとって距離なんて関係ないのか、まさにオールレンジな斬撃だ!


 俺は直感を信じて全方位からの斬撃に対応していた。完全に防ぎきることは出来ず傷は負っていくが致命傷は今のところない。


「素晴らしい直感ですね、その年でどれだけの戦いをこなしてきたのですか?」
「あんただって同じようなモノだろうが!」


 そのままアーサーに接近してレッグナイフを叩き込んだ。アーサーはその攻撃を剣でいなすと足元に剣先をひっかけて転ばせてきた。


「なっ!?」
「剣は斬るだけのものではありませんよ……!」


 大勢を崩した俺の顔に目掛けてアーサーが神速の突きを放ってきた。祐斗の牙突を簡単に超える程の速度……これでは腕での防御が間に合わない!


「しゃらくせぇ!」
「なっ……!?」

 
 俺は歯で剣先を噛んで無理やり突きを止めた。流石のアーサーもこの行動は予想していなかったか驚いた表情を見せた。


「レッグフォーク!!」


 そして俺はレッグフォークをアーサーの心臓目掛けて放った。だがアーサーは咄嗟に回避して右肩の二か所に穴が開くダメージで済ませた。


「があっ!?」


 俺は右腕に鋭い痛みが走り悲鳴を上げた、見ると右腕が切り落とされていた。


「くそ、あの瞬間にカウンターで斬られたか……!」
「ぐふっ、まさか歯で受け止めるとは……無茶苦茶な事をする……!」


 腕を抑える俺と肩から血を流すアーサー、お互いに深い傷を負ったが相手は戦う気マンマンだな。


 俺は左手で釘パンチを放とうと準備をするがその時不快な音が鳴り響いた。見るとアーサーは以前グリンパーチも持っていた何かの物体を取り出した。


「……ふむ、そうですか。どうやらここまでのようですね」
「なんだと?」
「我が主からの呼び出しです、どうやら三虎様が食材を全て食されてしまったようですね。以前死季の森から大量の猛獣を狩ってきたのですが……」


 アーサーはそう言うとコールブランドを振るい空間に切れ目を入れた。


「ふざけんな!勝手に戦いを仕掛けてきて自分の都合で帰るだと!?」
「しかし貴方にとっても都合がいいのではないですか?このまま続けていたら私も本気になりかねなかったので」
「……」


 悔しいがアーサーの言う通り奴が本気を出したら俺は殺されていただろう。


「……ならせめてルフェイに会っていってやれよ」
「必要ありませんよ、あの子には既に貴方という師と仲間がいる。だからこそ私を目的にこの世界にいてほしくない、あの子はあの子の欲望のままに生きてほしいのです」
「……」
「まあ会いましょう、兵藤一誠。再戦を楽しみにしていますよ」


 アーサーは言いたい事だけ言って空間の切れ目の中に消えていった。勝手な奴だ。


「……でも妹想いのお兄ちゃんなのは確かだな」


 俺はそう思い苦笑した。


『随分とやられたな、イッセー』
「まあな、グルメ界に入れる奴の実力がここまでとは……痛感したぜ、自分の力の無さによ」
『今回は奴の気まぐれに感謝しないとな。しかし……』
「ああ、アーサーの言葉だろう?あの言い方だと白龍皇に会ったことがあるように感じたぜ」


 俺とドライグはアーサーの会話を思い出していた。


「なあドライグ、もしもだ……もしヴァーリが白龍皇だったらどうする?」
『GTロボ越しではアルビオンの気配を感じ取れなかったが……もしそうなら絶望的だな』


 俺はもしもの考えをドライグに話した。なんというかヴァーリの操縦するGTロボと初めて会った時、言いようの無い感覚に襲われたんだ。コイツとは絶対に戦わないといけないという考えになった。


 そしてアーサーの主がヴァーリなのは確定している。もしヴァーリが白龍皇なら赤龍帝の情報を与えていてもおかしくない。


『しかしそれなら俺の透過の力も教えていてもおかしくないんじゃないのか?』
「多分敢えて教えなかったんじゃないか?ヴァーリも俺を試そうとしたし似たようなタイプのアーサーも自分で戦って判断したいって情報を受け取らなかった可能性もあるし……まあこんなところで考えても仕方ないんだけどな」
『ふむ、ヴァーリという奴の考えまでは読めんがアルビオンがいるならその考えに賛成するだろうな。なにせお前という歴代最高にして最強の赤龍帝が相手だ、自分が戦いたいと思うのも無理はない』
「おいおい、お前さっきは絶望的だって言っていなかったか?」
『だが負けるとも言っていないだろう?お前ならどんな奴が相手でも勝つさ、俺はそう信じている』
「はっ、相棒にそう言われたら猶更負けられないな」


 俺はドライグの言葉に恥ずかしくなりながらも嬉しく思う。


「まっ、その内ヴァーリと会うことになるはずだ。あいつが白龍皇かどうかはその時に判断しよう。今は皆の元に戻らないと」
『そうだな。しかしどうやって戻るんだ?』
「えっ、そりゃあ来た道を戻れば……」
『塞がっているぞ』
「はっ?」


 俺はさっき通ってきた空間が閉じているのを見て思わずそう呟いてしまった。


「お、おい!アーサー!お前俺を元の場所に戻せよ!おーい!戻ってこーい!」


 俺は消えたアーサーに向かって大声でそう言うが奴が帰ってくるはずもなかった。


「どうするんだよ、コレ――――――ッ!!」


 俺の叫び声が何もない空間に響いていった……



―――――――――

――――――

―――


side:リアス


「このっ!」
「ブモォォォッ!!」


 私は魔力弾を蠍魔牛に放つが素早い動きで回避されてしまう。そして私を押しつぶそうと太い腕を叩きつけてきた。


「させません!」
「はぁっ!」


 そこに小猫が割り込んで蠍魔牛の腕を受け止めた。そして祐斗が斬りかかる。


「剃」
「がはっ!?」


 でもそこにエレインが割り込んできて祐斗を蹴り飛ばしたわ。一瞬で祐斗に接近したあのスピード……強いわね。


「そこだぁ!」
「鉄塊」


 隙をついたイリナの黒い靴での蹴りが見事エレインに当たった。だが彼女はまったく答えた様子を見せなかった。


「か、硬い……!?」
「指銃」
「きゃあっ!」


 攻撃をして動けなかったイリナの胴体に指で風穴を開けた。なんて指をしているの!?


「イリナ!こいつっ……!」


 ゼノヴィアがカバーしようとするけどそこに蠍魔牛の尻尾から放たれた毒液が彼女に襲い掛かった。


「ぐっ……!」


 ゼノヴィアはそれを剣で防ぐが毒が当たった剣はドロドロに溶けてしまった。


「ブモォォォォォッ!!」


 蠍魔牛は地面に拳を叩きつけて巨大な岩石を作って投げつけてきたわ。


「させるかよ!」
「グルァッ!」


 アザゼルが閃光と暗黒の龍絶剣で岩石を十字に切り裂いた。その斬られた岩石を足場にしてテリーがエレインに襲い掛かる。


「嵐脚」


 だが両足から放たれた扇状の斬撃がアザゼルとテリーを切り裂いた。


「がはっ!足から斬撃を……!」
「キャウンッ!」
「ブモォォォッ!」
「雷よ!」
「オォォッ!?」


 二人に追撃しようとした蠍魔牛を朱乃の雷が直撃した。流石に雷には慣れていないようで苦痛の声を出すがまだまだ戦えそうね。


「このっ!」
「紙絵」


 ギャスパーがスタンドでエレインに攻撃を仕掛けるけど彼女はまるで風に舞う紙のように体をひらりとさせて攻撃を回避しているわ。


「やあっ!」
「甘いですよ」


 小猫が背後から襲い掛かってギャスパーと挟み撃ちするようにエレインに攻撃をしたんだけど彼女はジャンプしてそれを回避したわ。今がチャンスね!


「甘いのは貴方よ!l空中じゃ避けられないでしょう!朱乃!」
「承知いたしましたわ!」


 私と朱乃は同時に魔力と雷をエレインに目掛けて放った。人間は空中じゃ動けない、決まったわね!


「月歩」


 なんと彼女は空中を蹴るように移動して私達の魔法を回避したわ。そんなの有りなの!?


「いかがでしょうか?私の編み出した体術『六式』のお味は?」


 エレインは蠍魔牛の方に着地すると優雅に舞いながら六式と話した。


「六式?」
「ええ、人間の身体能力を極限まで高めた体術の事です、皆様も鍛錬を組めば使えると思いますよ」
「簡単に言ってくれるわね……!」


 あんな体術をそう簡単に使えるようになるなら苦労はしないわよ!流石グルメ界に入れるだけの事はあるわね……


「それでお嬢様、貴方は戦わないのですか?」


 エレインは私達のは背後にいるルフェイにそう声をかけた。ルフェイだけはエレインとは戦えず離れた場所から私達の戦いを見ていたのよ。


「わ、私は……」
「先ほども言いましたが戦う覚悟も無いのなら家にお戻りください。その方が貴方の為です」
「うぅ……」


 エレインの発言にルフェイは縮こまってしまったわ。


「ちょっと!さっきから聞いていたらなんでそんな酷いことを言うのよ!あの子は大切な存在なんじゃないの!」
「大切な存在だからこそ厳しく言うのです。この世界がいかに危険か貴方だって理解してるでしょう?」
「それは……」


 あんまりな言い方に私は抗議するがエレインの指摘に何も言えなくなってしまった。


「……それでも私は納得できないわ!だって貴方達は無理やりルフェイに選択させようとしてるじゃない!」
「大切なことです」
「確かに大切なことよ、でもそれは強要することじゃないわ。ルフェイが答えを出せないならその答えが出るまで私達が彼女を守ればいいだけの事じゃない」
「リアスさん……」


 ルフェイにとってアーサーとエレインは大切な存在のはず、それなのに彼らから冷たい態度を取られて動揺している彼女に家に帰れだなんて酷いわ!


 確かにこの世界は危険よ、でもいくら大切でも力尽くで選択させようとするなんて認めないわ!


「大層なことをおっしゃいますが兵藤一誠様ならまだしも貴方方ではお嬢様を守れるとは思えません」
「そんなこと貴方に分かるの?」
「分かります。私程度に苦戦している貴方方では到底無理です」
「勝負はまだまだこれからよ!」
「いいえ、もう終わりますよ」


 彼女はそう言って行動しようとした。


「ギャスパー、貴方の力で彼女達の動きを止めて!」
「分かりました…わっ!?」
「ギャスパー!?」


 ギャスパーにエレインと蠍魔牛の動きを止めてもらおうとするが、彼の目に誰かの手が被さって視界を遮ってしまった。


「なにが……きゃあっ!?」
「これは……!」
「無数の腕……!?」


 私達の体に女性の腕が生えて動きを封じてきた。何が起きているの!?


「これがグルメ細胞を得て会得した私の力……あらゆる場所に体の部位を生やす事の出来る『ハナハナ』の力です」
「ハナハナ……!?」
「ええ、私は好きな場所に好きな数だけ体の部位を生やすことが出来ます。貴方達の体に腕を生やして動きを封じ込める事もできます」


 あらゆる場所に体の部位を好きなだけ生やせるですって!?


「う、動けません……」
「ス、スタンドですら動けなくさせるなんて……」


 戦車の駒を持つ小猫やスタンドを持つギャスパーですら身動きが取れなくなってしまってるわ。


「唯の女性の腕も一万集まれば熊も止めれます。私の前にパワーもスピードも意味など成しません」


 確かに鍛えた男でも20人の女に捕まれれば動けなくなる……恐ろしい能力だわ。


「お判りいただけたでしょうか?貴方方ではお嬢様を守れはしないのです」
「まだ負けてないわ!動けなくなっただけだもの……!」
「ならこのまま背骨をへし折りましょうか?それとも指銃で蜂の巣がお好みですか?好きな死に方をお選びください」
「ッ!!」


 私達を捕えている腕の力がこもる、このままじゃ……!


「もう止めてください!」


 その時だった、ルフェイの叫びがヘビーホールの最下層に響いたの。


「どうなされましたか?」
「もうこれ以上皆を傷つけないで……家に帰ります。だからもう止めてください……」
「それが貴方の答えですか?」
「はい、そうです。もともと私はお兄様とエレインに会いたかったから家を出ました、二人が無事に生きていたのを見れたからもう満足です。だから……」
「分かりました。それなら……」
「ふざけないで!ルフェイ!!」
「ッ!?」


 私は思わずそう叫んでしまった。


「貴方、私達を助けたいがためにそんな選択をしようとしているんじゃないでしょうね!?だとしたら酷いわ!貴方は私達を信じていないの!?」
「で、でも……」
「そもそもイッセーは貴方にどうしたいか考えろって言ったでしょ?本当にそれが貴方の心からの答えなの?」
「私は真剣に考えました!でも無いんですよ!二人以外でこの世界にいたいっていう理由が!」


 ルフェイは涙を流しながらそう答えた。


「……そもそも私が家を出たのも二人を探す為なんです、それ以外に目的をもっていなかった。だからもうこの世界にいる理由は……」
「本当に?私達と旅をして何も思わなかったの?楽しくなかったの?イッセーの弟子になって鍛えてもらって時には彼から頼られてアイテムも作って一緒に困難を乗り越えて美味しい物を食べて……そんな毎日は貴方にとってなんでもなかったの?」
「あっ……」


 私の言葉にルフェイはハッとした表情を浮かべた。


「ねえ、ルフェイ、貴方は難しく考えすぎなのよ。イッセーも考えろとは言ったけど決めろとは言っていないでしょ?信念だとか意思だとか……そんな小難しい言葉なんてどうでもいいじゃない」
「リアスさん……」
「そもそも私だって正直そんな大層な目的も信念もないわ。今は美食會やら禍の団やら考えなくちゃいけないことも増えたけど、私がこの世界にいたいって思った一番の理由は『美味しい物を食べたい』からよ」
「美味しい物を食べたい……」


 私も好きな人に会いたいっていう目的はあったけど自分の我儘でしかないわ。私はここに来た一番の目的を彼女に言うとルフェイはそう呟いた。


「……私ももっと美味しい物を食べたいです。皆と一緒に冒険がしたいです。師匠の力になりたいです……帰りたくないよぉ」
「いいのよルフェイ、もっと我儘になりなさい。イッセーも私達も貴方の仲間なんですから」


 ルフェイは泣きながら自身の本心を話し始めた、やっぱりルフェイは自分を犠牲にしようとしていたのね。でもそんなの許さないわ。美味しい食事は大切な仲間と分け合ってこそ得られるのだから。


「そう言う事だからルフェイは帰さないわ。いいかしら?」
「……見事な演説でした。しかしそんな状態で何を言っても説得力はありませんよ?」
「そうね、このままじゃ納得してもらえないわよね。なら貴方が納得できるように実力で分からせるわ……!」
「なにを……ッ!?」


 私は冥界で得た新たな力を使い髪を金色にする。そして無理やり拘束を解いてエレインに向かっていった。


「ブモォォォッ!」
「邪魔よ!」


 私の前に蠍魔牛が立ちふさがったが私は腹部に拳を叩き込んでエレインの方に目掛けて吹き飛ばした。


「先程までとは力が違う!?……剃!」


 エレインは瞬間移動と思わせるような速さで回避するが直感で来る場所を感じ取っていた私はそこに回り込んでいた。


「なっ……!?」
「喰らいなさい!」
「(避けている暇はない……)鉄塊!」


 私はエレインの腹部に拳を叩き込んだ。先ほどはイリナの攻撃を受け止めた鉄塊だが……


「がはっ……!?」


 予想以上のパワーだったのか防ぎきれずにそのまま壁まで殴り飛ばした。彼女は崩れた瓦礫に埋もれてしまう。


「はぁ……はぁ……どんなもんよ」


 桜さんとの修行でちょっとは扱えるようになったけどやっぱり消耗が大きすぎるわね、コレ……


 倒れそうになった私をルフェイが支えてくれた。


「リアスさん、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう、ルフェイ」
「お礼を言うのは私の方です……私のために戦ってくれてありがとう、リアスさん!大好きです……!」


 ルフェイはそう言って私に抱き着いてきた。ふふっ、お互い家を出た者同士ですもの、力になるのは当然よ。


「リアス部長!大丈夫ですか!」
「皆!拘束が解けたのね!」
「ええ、リアスのお蔭ですわ」


 小猫や朱乃達が駆け寄ってきた。どうやらエレインの拘束が解けたようね。


「それにしても心に響く言葉だったよ、リアス殿」
「うんうん!私もすっごく共感しちゃったよー!」
「僕も感動しました。そうですよね、この世界にいる理由の一番は美味しい物を食べたいからですよね」
「はは、サーゼクスもビックリするだろうな。良い演説だったぜ」
「も、もう……皆褒めすぎよ」


 ゼノヴィアとイリナ、祐斗、アザゼルに褒められてしまい私は顔を赤くしてしまった。


「あ、あの……エレインさんは大丈夫ですか?」
「そ、そうでした!エレインは瓦礫の中……早く助けないと!」
「その必要はありません」


 アーシアの指摘にルフェイが慌ててエレインを助けようとする、でも瓦礫ではなく別の場所から彼女の声が聞こえた。


「エレイン!?」
「素晴らしい一撃でした、リアス・グレモリー様。あのような姿になるという情報は無かったとはいえ不覚を取りました。これは情報を見直さないといけませんね」
「その割にはピンピンとしてるじゃない」
「まさか……メイドとして身を張らせていただいているだけです。正直ここまでのダメージを負うつもりはありませんでした」
「ならもう戦いは辞めるのかしら?」
「ええ、それに眠れる獅子を起こしてしまったようですので」
「えっ……?」


 その時だったわ。私達の背後に急に何か獣臭を感じて振り返ってみると……


「う、うわぁァァああぁぁぁッ!?」


 全身に切傷を負った大男がそこに立っていた。


「だ、誰ですかぁ!?」
「まさかこの人は……!」
「研ぎ師メルクさん!?」


 全員が急に現れた大男に驚いたがルキから得ていたメルクさんの情報と一致したため私達はこの人がメルクさんだと判断した。


「ブモォォォッ!」
「蠍魔牛!」


 すると先程殴り飛ばした蠍魔牛が襲い掛かってきた。蠍魔牛はメルクさんに襲おうとするが……


「えっ、止まった……?」


 メルクさんが振り返って蠍魔牛を見ると蠍魔牛はまるで天敵を見たかのように委縮してしまった。


「蠍魔牛にかかっていた支配の聖剣の力を睨んだだけで恐怖させ四散させてしまった……これが研ぎ師メルクの力ですか」
「お、お兄様!?」


 するといつの間にかアーサーがいてエレインを助けていた。


「イッセーはどうしたのよ!」
「彼は無事ですよ、いやはやまさかここまで傷を負わされるとは思ってもいませんでしたよ。エレイン、我が主がお呼びです、今日はここまでにしましょう」
「かしこまりました」


 よく見ると肩に大きな穴が開いていた。イッセーがやったのかしら?


「お兄様……」
「ルフェイ、どうやら答えは得ることが出来たようですね。これからは貴方自身がしたいように生きていきなさい」
「はい、私は皆と一緒に生きていきます」
「……良い目になりましたね。これで私も安心してグルメ界に向かえます」


 アーサーはエレインを連れて空間の切れ目に入っていった。


「ルフェイ、そして超新星の皆様。またお会いしましょう」
「失礼いたします」
「ちょっと待ちなさい!イッセーはどうしたのよ!」
「ルフェイの本心を見る為に邪魔をされないように敢えて異空間に残してきました。そろそろ戻ってきますのでご安心を。では」


 そして二人は空間の切れ目の中に消えて行ってしまった。


「はぁ……色々とあったわね」
「あはは、身内が申し訳ありません……」


 私が溜息を吐くとルフェイが申し訳なさそうにそう言った。


「とりあえず今はメルクさんにお礼を言いましょう。アーサーを信じるならイッセーも直ぐに戻ってくるでしょう」


 私達はとりあえず先ずはメルクさんに挨拶をすることにした。警戒されているかもしれないからね。


「初めまして、貴方はメルクさんですか?私達は貴方に会いに来た者です」
「……」
「私はリアスと言います。この場には訳あっていないのですが美食屋イッセーを知っていますか?私達は彼の仲間なんです」
「……」


 これは警戒されているのかしら?何も言わないわね……


 するとメルクさんは指を上げて……んんっ?


「えっ、何かしゃべっているんですか?」
「小さすぎて声が聞こえないね……」


 小猫と祐斗の言う通りメルクさんが何かつぶやいたようなんだけど、小さすぎて聞き取れないわ。


「おわっ!?なんだぁ!?」


 アザゼルが驚いた声を出すが見ると蠍魔牛が敬礼をして走り出した。もしかしてさっきのは蠍魔牛に指示を出していたの?それにしてもよくあの声が聞き取れたわね、私達にはチンプンカンプンよ……


「あ、あの~……貴方はメルクさんなんですよね?」
「……」


 いや声が小さすぎるんだけど!?物凄く小さすぎて心臓の鼓動の方が聞こえるレベルなんだけど!?


「な、なんだ?何かのコミュニケーションなのか?」
「多分決めセリフを言ったのかもしれないけど……全然分からないよ」


 ゼノヴィアとイリナも困惑している。なんか指を刺してズバリ!コレは……!的な雰囲気で話してるけど私達には何も聞こえないわ。


「おい、何か石を取り出したぞ。あれがレアな素材なのは分かるがごにょごにょしか聞こえねえんだけど」
「多分だけど何かめちゃくちゃ真剣に説明してるわよね。まったく聞こえないけど」


 アザゼルやティナも必死に何を言ってるのか聞き取ろうとするけどごにょごにょしか聞こえないわ。


「……」
「あっ、帰ろうとしていますぅ」
「何だか満足した様子ですね」
「いやちょっと待ちなさいよ!?」


 一通り話したつもりなのかメルクさん……なのよね?まあメルクさんだとして彼は満足そうに笑みを浮かべると私達に手を振って去ろうとした。


 ギャスパーとアーシアがポカーンとして見ている中、一足先に我に帰った私はメルクさんを追いかけた。


「なんでバイバイしてるの!?私達なんにも分からないんだけど!」
「?」
「いやハテナじゃなくて!貴方はメルクさんなの!?あっ、ちょっと待って!」


 私は出来るだけ彼の顔に耳を寄せて声を聞こうとする。


「さあ、どうぞ。できれば大きな声でお願いするわ。なに?なんなの?」
「……」


 耳を近づけても全く聞こえない、もしかして声帯が痛んでいるのかしら?


「なに、この振動は……きゃあっ!?」


 その時だったわ、先ほど何処かに行った蠍魔牛がまるで野球選手がスライディングするような勢いで突っ込んできたの。ビックリして尻もちをついちゃったじゃない!


「いたた……あら、何か持ってるわね」


 蠍魔牛は何かを持っていてソレをメルクさんに渡した。あれは石かしら?


「……あー、あーあー」
「ッ!声が聞こえる……!?」


 その石に向かってメルクさんが声を出すと先程までノミが撥ねる音よりも聞こえなかった彼の声がハッキリと聞こえた。あの石の効果なのかしら?


 でもこれで漸く彼と話が出来るわね。ルキの元に帰らなかった理由とかメルクの星屑の食べ方とかちゃんと聞かないと……!


「……ということでさっき言った通りだ。んじゃ」
「いや『んじゃ』じゃなくてェェェェッ!!」


 私はまた去ろうとするメルクさんを追いかけた。聞こえていないって言ってるでしょうがぁ!!


「貴方は一体誰なの!メルクさんなの!?その蠍魔牛とはどういう関係なの!?一から全部説明しして頂戴!ちょっと!聞いてるの―――ッ!!」


 私は去っていくメルクさんの後をそう叫びながら追いかけるのだった……

 
 

 
後書き
 ルフェイです。リアスさんの言葉に勇気を貰えました、これからはお兄様を追いかけるのではなく私の為に生きていきたいです。


 さて漸くメルクさんに出会えたのですがこれが何とも声の小さすぎるお方で……後天然なのか見た目と違ってお茶目な人なんですよね。まあリアスさんはツッコミ疲れてますが……


 でもこれでルキさんの元に帰らなかった真実が分かりますね、きっとものすごく複雑な事情があるのでしょう。


 次回第103話『メルクの語る真実!メルクの星屑をゲットだぜ!』で会いましょうね。


 次回も美味しく頂きます。えへっ♪ 
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