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ドリトル先生とタキタロウ

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第一幕その五

「はっきりしないんだ」
「いることは間違いなくて」
「魚群探知機にも反応があって」
「それで食べた人もいて」
「剥製らしきものがあっても」
「見付かっていても」
「イワナかマスか」
 先生は種類のお話もしました。
「わかっていないんだ」
「へえ、イワナかマスなんだ」
「どっちかなんだ」
「どっちのお魚も美味しいけれどね」
「そこまではわかっていないんだ」
「そうだよ、あとさっき七十センチか八十センチのお魚と言ったけれど」
 それでもというのです。
「二メートル位のものも見付かったという話もあるよ」
「へえ、二メートルなんだ」
「オオウナギ並だよ」
「それ位だね」
「かなり大きいわね」
「昔の尺で一尺はいかないというけれど」
 それでもというのです。
「そこもわかっていないんだ」
「ううん、いることはわかっていても」
「あまり詳しくわかってないね」
「いる場所はわかっていても」
「何か色々残念ね」
「そうだね、僕もね」
 先生にしてもというのです。
「わかっていないことが多いから」
「それでだね」
「先生にしてもだね」
「残念なんだね」
「タキタロウについては」
「そうなんだ、けれど大鳥池に行ったら」
 その時はというのです。
「調べたいね」
「そこは先生らしいね」
「流石生粋の学者さんだね」
「興味があることは調べたい」
「是非にだよね」
「そう思うから」
 だからだというのです。
「その時が来れば」
「その時は」
「もう是非調べたい」
「そうしたいね」
「タキタロウについて」
「そうしたいよ」
 こう言うのでした、そうしたお話をしてです。
 先生は今は日本の淡水魚の本を読んでいきました、そうしてお家に帰るとトミーが晩ご飯に出したものは。
 イワナを焼いたものでした、他にはお味噌汁に三つ葉もおひたしそれに納豆があります。先生はイワナを見て言いました。
「実は今日大学でね」
「イワナのお話をされたんですか」
「タキタロウのお話をして」
「ああ、東北にいるという」
 トミーもこのことは知っていました。
「あの大きなお魚ですね」
「タキタロウはイワナともマスとも言われていてね」
「それでなんですね」
「そこでね」
「イワナのお話をされていたんですね」
「そうしていたらだね」
 先生はちゃぶ台の前で笑顔になって言います。
「出て来たね」
「いや、ご近所から貰いまして」
「それでなんだ」
「焼いてみました」
 先生に微笑んでお話しました。 
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