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星河の覇皇

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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその九

「どうしてもな」
「後が厄介ですね」
「併合した相手の復興がありますから」
「勝ったにしてもです」
「マイナスの相手を併合しては」
「それをどうプラスに戻すか」
 復興政策を行ってというのだ。
「そう考えますと」
「どうしてもですね」
「後が大変ですね」
「その後の政治を考えますと」
「あまり採るべき戦略ではないですね」
「特に国力差が然程開いていないとな」 
 今のオムダーマンとティムールがそれである。
「どうしてもな」
「左様ですね」
「双方が大きく傷つきます」
「我々の場合はサハラ全体が大きく疲弊し」
「統一した後の復興が大変です」
「それで忙殺されかねないです」
 統一の後でというのだ。
「閣下は統一後国家の土台固めを考えておられますが」
「国家を長く統治していく為の」
「それよりもですね」
「復興に力を削がれますね」
「そうなってはならない」
 だからだというのだ。
「ここはだ」
「消耗戦ではなく」
「一気に決着をつけるお考えでしたが」
「その為にあの兵器を開発、製造しましたが」
「それがですね」
「上手くいきましたね」
「そして」
 それにというのだった。
「次の戦闘でも使い」
「一気に勝利を収めますね」
「それからは」
「サマルカンドまで」
「次のティムール軍の防衛ラインを突破すると」
 それならというのだ。
「後はだ」
「まさにサマルカンドまで守りはありません」
「ティムール軍には」
「サマルカンド星系とその周辺は強固ですが」
「それでもです」
 サマルカンド星系の防御は堅固だ、だがそれでもというのだ。
「首都まで迫っては」
「後はです」
「もうどうとでもなります」
「敵の戦力をどれだけ叩いたかですが」
「如何に守りが堅固でも」
「敵の数が少ないと」
 それならというのだ。
「勝てます」
「やはり戦争は数です」
「数が少ない相手なら」
「勝てます」
「それではですね」
「次の戦闘で趨勢を決する、だがそれはあくまでシャイターン主席が動けないからだ」
 彼が倒れているからだというのだ。
「出来ることだ」
「まさにですね」
「あの御仁がいないからで」
「若しあの御仁がいれば」
「その時は」
「あの兵器を使えず消耗戦しかだ」
 この戦略をだ、アッディーンはまた話に出した。
「採れなかった」
「そして消耗しきり」
「そうしてですね」
「サハラ全体は疲弊し」
「後がとなっていましたね」
「シャイターン主席は強い」
 アッディーンは前からわかっていたが実際に干戈を交えて肌でわかった、シャイターンが如何に強いかを。 
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