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星河の覇皇

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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその八

「倍返しになる」
「その通りですね」
「あれは奇襲用の兵器です」
「人類が地球にあった頃からでした」
「哨戒にも使っていましたが」
「戦闘の際は奇襲ですね」
「その為に使うもので」
 それでとだ、幕僚達も話した。
「今もですね」
「奇襲に使うもので」
「見破られてはいけないですね」
「何があっても」
「だからですね」
「シャイターン主席が復帰するまでに」
「敵軍の次の防衛ラインを破り」
 そしてというのだ。
「そのうえで、ですね」
「戦局を決定付けますね」
「後はサマルカンド星系に向かう」
「防衛ラインを突破すれば」
「そしてその時は」
「戦力差を決定的なものにしていますね」
「そうなる様にする、次の戦いでは敵戦力にもかなりの打撃を与え」
 そしてとだ、アッディーンは話した。
「敵の戦力を削ぐ」
「ティムール軍には予備戦力がありません」
「動員出来るだけ動員しています」
「その為戦力を失うと補充出来ないです」
「それは我々も同じですが」
「彼等は国力に劣ります」
 このことがここで影響してくるというのだ、
「ならばです」
「戦力が減れば減る程、ですね」
「追い詰められていく」
「元々そうした状況でしたが」
「ここでそれが出ましたね」
「国力の差が」
「国力同士の戦いに持ち込むことも有り得た」
 アッディーンはこの戦争自体のことも話した、オムダーマンとティムールの国力差を念頭に置いたうえで。
「それもな」
「左様ですね」
「そしてでしたね」
「いざとなればですね」
「どうしてもという時は」
「我々は消耗戦も考えていました」
「そうした戦争を行うことも」
 幕僚達も話した。
「それが最後の手段でも」
「それを考えていました」
「そして、でしたね」
「戦略を立てていましたが」
 それがというのだ。
「それには及びませんでしたね」
「国力を使った消耗戦には」
「幸いにして」
「国力を使った戦いは」
 それはというと、とだ。アッディーンは話した。
「確かに効果がある」
「そうして勝った国も多いです」
「策略ではなく国力を全面に出して戦い」
「エウロパ戦役の連合もそうでしたね」
「あの国も圧倒的な国力を使いました」
「そうして戦いましたが」
「ああした戦争になると」
「問題もありますね」
「消耗戦は仕掛ける方も国力を使う」
 この場合はオムダーマンもだ。
「普通に戦うよりもな」
「勝算は大きいですが」
「それでもですね」
「こちらも国力を消耗し」
「そして負けた方はですね」
「国力を完全に使い切っていますね」
「そうした相手を併合するとな」 
 この場合についてアッディーンは政治に携わる中で知っていった、相手の国力の消耗をその目で見てだ。 
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