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星河の覇皇

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第八十二部第四章 破竹の進撃その十二

「どうにも」
「あれは何なのでしょうか」
「魚雷というと水雷艦艇ですね」
「主に駆逐艦になりますが」
「駆逐艦が前線にありましたし」
「ステルス能力で敵の側方や後方に回っても」
「ティムール軍に気付かれる筈です」
「一隻や二隻ではないです」
 それ故にというのだ。
「あの攻撃は」
「数個艦隊規模でした」
「攻勢全体から見ると」
「それだけの規模の艦艇を隠していた」
「隠密行動をさせていた」
「それが出来るか」
「このことは」
 どうにもというのだ。
「出来ません」
「普通はそう考えます」
「このことは」
「どうにもです」
「オムダーマン軍はどうしたのか」
「一体」
「このことが一番気になりますね」
「我々にしても」
「忍者か」
 こう言った者もいた。
「まさか」
「忍者ですか」
「日本の」
「それの様だとですか」
「そう言われますか」
「はい」
 その武官は周囲に答えた。
「これは」
「これは?」
「これはといいますと」
「忍者となれば」
 その武官はさらに話した。
「かつて艦艇で存在しました」
「といいますと」
「それは」
「それは何でしょうか」
「ステルス艦ですか」
 これがその武官の見立てだった。
「レーダーの反射を無効化している」
「形や塗料で」
「そうしてですね」
「敵に発見されない」
「そうした艦艇ですか」
「それを思いましたが」
 それでもとだ、武官は自分の言葉を訂正してこうも言った。
「しかし?」
「しかしといいますと」
「今度は」
「ステルス艦はレーダーには移りませんが」
 それでもというのだ。
「目には見えますね」
「それはそうですね」
「例えレーダーには映らずとも」
「目には見えます」
「レーダーとしても万全ではない」
「そうですね」
「はい、ですから」 
 だからだというのだ。
「私もどういった艦艇かは」
「わからないですか」
「そう言われますと我々もですね」
「オムダーマン軍がどういった兵器を使ったか」
「それはどうも」
「今の時点では」
「何らかの兵器を使用していても」
 それでもというのだ。 
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