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展覧会の絵

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第十二話 ジェーン=グレンの処刑その三

「確かに腐敗を極めていますが北朝鮮、彼等の信仰先の実態も知られていますし」
「彼等と北朝鮮の関係もだね」
「はい、知られています」
 そうだというのだ。
「もっともそれはテレビだけを観ていてはわかりませんが」
「テレビ、この国のマスコミもまた」
「腐敗を極めています」
「この国のマスコミも共産主義の信奉者が多いね」
 十字はここではあえて共産主義と言ってみせたのだ。本来なら社会主義、それも社会民主主義と言うべきであろうが日本の社会民主主義は自称でありその主張や行動の実態は共産主義に他ならないからだ。
 だからこそこう言いだ。十字は神父に述べたのである。
「それもかなり」
「そうです。全体主義を信仰しています」
「共産主義は全体主義だよ」
 つまりナチスと変わらない。これもソ連崩壊後わかったことだ。
「そしてその全体主義自体はね」
「キリスト教の鬼っ子ですね」
「キリスト教の否定、裏返しがジャコバン派だった」
 フランス革命に出て来た急進的共和主義だ。彼等はキリスト教、即ち宗教を否定し理性を崇拝することを考えた。だがそれはだというのだ。
「彼等はただ信仰するものを変えただけだった」
「理性とやらを神としたのですね」
「そう。神を否定しながら別の神を崇拝しただけだったんだ」
「しかも理性を絶対とし」
「ああなっていったんだ」
 十字はそのジャコバン派についても話していく。
「ロベスピエールは多くの人間を粛清した」
「そしてフランス革命を血に彩りましたね」
「ジャコバン派は滅んだけれどその思想は生き残った」
 革命に対する、そして世界に対する急進的な思想がだというのだ。
「それがやがては」
「ナチスになりソ連になりましたね」
「共産主義はジャコバン派の影響が強い」
 十九世紀の欧州の思想はフランス革命からはじまった。それならば当然のことだ。
「だからこそね」
「そうですね。ですから」
「共産主義は全体主義だよ」
「ジャコバン派がそれであるのと同じ様に」
「神を否定したならば後は自分以外を否定するだけだよ」
 これはそうなっていったことだった。十九世紀欧州の思想が。
「特にこの国の共産主義者はね」
「そうですね。自分以外は否定しています」
「そうした人間が教育者になる」
「腐敗するのも当然ですね」
「そう。そしてこの国のマスコミ関係者もまた」
 共産主義が多いのなら、それならばだった。
「腐敗しているね」
「それも異様なまでに」
「だからテレビだけではわからない」
「マスコミが真実を報道するとは限りません」
「むしろ嘘を言うと思った方がいい」
 十字はマスコミについてこう考えていた。彼等はあくまで腐敗しているというのだ。
「だからこそ。テレビだけを観ていては」
「教育の腐敗もわかりませんね」
「テレビは人を最も愚かにさせるものだよ」
 十字はテレビというものを否定した。何処までも。
「無批判に観るとね」
「それだけで、ですね」
「うん、愚か者になってしまう」
 テレビの害毒、それに侵されてしまうというのだ。
「だからこそ僕はこの国のテレビはとりわけね」
「信じられることはないのですね」
「ないよ」
 実際にそうだというのだ。
「何一つとしてね」
「そこまで質が悪いですか」
「事実を隠蔽するマスコミは害毒でしかないよ」
 十字は冷たく言い捨てた。 
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