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バナナ

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第三章

 バナナを食べていた、好子はそのゴリラ達を見つつ自分もだった。
 バナナを食べた、そうして一緒にいるクラスメイト達に話した。
「絵になるよね、ゴリラにバナナって」
「そうよね」
「イメージ通りよね」
「実際は野生だと食べなくても」
「それでもね」
「絵になるわ」
 笑顔でバナナを食べつつ言った、そして。
 そのバナナを食べる好子を見てだ、クラスメイト達は笑って言った。
「あんたにしてもそうね」
「あんたは実際に好きだけれど」
「バナナ食べてる姿絵になってるわよ」
「最高にね」
「そうなのね、しかしバナナ昔高かったらしいけれど」
 かつての話もした。
「今は安くて普通に買えるからね」
「それいいわよね」
「いい時代になったわね」
「バナナって皆食べるしね」
「そうした果物の一つだからね」
「好子みたいに好きでなくても食べるし」
「安くて買いやすくて本当にいいわ」
 好子はバナナを食べつつクラスメイト達に笑顔で話した、そしてだった。
 またゴリラを見た、ゴリラは美味そうにバナナを食べている。好子はそんなゴリラを見て絵になっていると思った。実際は野生のものは食べなくともそう思った。
 そして家に帰ってだ、母に言われた。
「バナナジュース作ったけれど飲む?」
「うん、飲むよ」
 母に満面の笑顔で応えた。
「ジュースも好きだしね」
「それじゃあね」
「そっちも飲むね、本当にバナナがあったらね」
「あんたは幸せね」
「大好きだからね」
 こう言うのだった、そして家でもバナナを楽しんだのだった。


バナナ   完


                2022・9・13 
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