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スケルトンの食べもの

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第二章

「一体」
「いや、スケルトンは骨だけの身体だろ」
「この通りな」
 リチャードも否定しない。
「そうだよ」
「そうだな、それでどうして飯食うんだ?」
 ヘンリーと共に椅子に座りリチャードと向かい合ったうえで尋ねた。
「一体」
「ああ、実は身体あるんだよ」
「あるのかよ」
「そうだよ、スケルトンって実はな」 
 ペーターにこう話した。
「骨だけに見えて透明な皮膚と身体があるんだよ」
「そうなのか」
「内臓もあってな」
 それでというのだ。
「ちゃんとな」
「飯も食えるか」
「ああ」
 その通りだというのだ。
「これがな」
「そうなのか」
「だからな」
 それでというのだ。
「こうして服も着られるしな」
「飯も食えるか」
「アンデットでもな」
 それでもというのだ。
「食えるし飲めるんだよ」
「そうなんだな」
「ちなみに好きなのはスパゲティだよ」
 こちらだというのだ。
「これがな」
「それが好きなんだな」
「ああ」
 こうペーターに答えた。
「俺はな」
「そうだったんだな」
「やっぱりアンデットだから食わなくてもいいけれどな」
 そうしても死なないというのだ。
「最初から死んでるしな」
「それは俺達と同じだな」
「けれど食うとな」
 そうすると、というのだ。
「それだけな」
「調子がいいか」
「そうなんだよ」
 これがというのだ。
「本当にな」
「そうか」
「お前等と同じだよ」
 ゾンビやマミーと、というのだ。
「見えないだけでな」
「身体があるんだな」
「そうだよ、それで今夜はな」 
 リチャードは楽しそうに話した、その骸骨の顔で。
「シチューだよ」
「それ食うんだな」
「ホワイトシチューな」
 これを食べるというのだ。
「作ってな」
「そうするか」
「ああ、今から楽しみだよ」
「そうなんだな、スケルトンも食うんだな」
「当たり前だろ、そう言えば人間は俺達が自分達食うとか言ってるな」 
 リチャードは今度はこんなことを言った。
「そうだよな」
「ああ、よく言われるな」
 ヘンリーが応えた。
「アンデットはな」
「俺達も生きていた頃は人間だぞ」
「そうだよな」
 ヘンリーもそれはと応えた。 
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