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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第88話

 
前書き
やっぱりこの2人は出してみたかった。 

 
ジャネンバを悟天とトランクスに、結界を悟飯に任せて地上に戻った悟林は街に降り立って早速全力の一撃を放った。

「まずは軽く一発!ギャリック砲!!」

「なっ!?そ、それは我が王家に伝わる…何故貴様のような小娘が…ぐあああああっ!?」

「ベ、ベジータ王っ!?あ、あいつの顔…まさかカカロットの娘…」

「な…?カ、カカロットの娘…あのベジータ王を…やはりさっさと殺しておくべきだった…」

超ギャリック砲をまともに喰らったベジータそっくりの髭を生やした男は配下らしい者達と共に消えた。

「やあ、久しぶりだねぇ…消えるならさっさと消えなよ…もう一度地獄送りにされたくなかったらね…」

サイヤ人らしい凶悪な笑みを浮かべる悟林に対して筋肉達磨が激怒する。

「ぐっ、ふざけるんじゃねえ!俺は名門出のエリート戦士だ!貴様のような最下級戦士のガキに負けるわけがないんだ!!」

「よ、よせ!ナッ…」

突撃してきた筋肉達磨を針鼠頭のヘタレそうな男と一緒に気弾で消滅させた。

「はあ、血迷っちゃって…何か近くに見覚えのある顔がいたけど……ま、いっか。思い出せないってことは大した奴じゃないんだろうし」

仮にも自分の伯父だと言うのにすっかり存在を忘れ果てていた悟林であった。

指先から気弾を放ってフリーザの部下らしきナルシストそうな長髪の男と醜い男を瞬殺する。

「ひ、ひいい…ザーボン様とドドリア様が…」

「あらら、怯えちゃって」

「…あ、フリーザ様!」

「ん?」

「馬鹿め!」

この星にいるはずのないフリーザの名前を呼んだフリーザの部下。

悟林が振り返った直後に気弾を連射する。

「どうだ!いくら化け物の貴様でも不意打ちでこれだけ喰らえば…」

「いや、全然平気」

デコピンで顎を弾いて上空に打ち上げると更に指を突き出す。

直後に衝撃波によって内部から弾けた。

「汚い花火だね」

「はっ!!」

ピッコロも気弾を連射し、両腕を伸ばして1人1人を確実に倒していく。

「それにしてもまさかこんなことになるとはね。閻魔大王様も気の毒に」

「笑いながら言っても全然気の毒そうに見えんな」

「ふふ、だってお父さん達にグラノラ?って奴あげちゃったんだよ?退屈してたから丁度良いや」

「行くぞお前達!見せてやろう、新たに編み出したアルティメットファイティングポー…」

「却下、ビッグバンアタック!!」

オーラを纏って手のひらに気を集中させる。

教わって分かったのだが、この技はギャリック砲の技術の応用のようでギャリック砲に威力が劣るものの、気弾故の着弾地点での爆発の範囲の広さや弾速の速さが魅力の技である。

悟空もかめはめ波を気弾状にして放つこともあるため、気功波を気弾にして放つメリットはあるのだろう。

目の前の悟飯を狂わせた元凶戦隊を姉として爆殺した悟林。

「…奴らのポーズに妙な既視感を感じた…」

「今の悟飯がアホなのは絶対にあいつらのせいだ。取り敢えずここにいるのは雑魚ばかりのようだね」

「それはどうだろうな」

「ん?」

聞き覚えのある声に見上げるとそこにはモロがいた。

「貴様は…!」

「モロじゃない」

「ほう、俺の名を知っているのか?」

「まあ、あの時の私はまだ体が小さかったから今の私だとちょーっと分からないかなぁ?“モロちゃん”?」

「っ!き、貴様は孫悟林!!」

最強であったはずの自分を完膚なきまでに叩き潰した忌々しい小娘。

サイヤ人の特徴で、一定の年齢になると一気に成長するため目の前の女が悟林であることを見抜けなかったモロ。

「正解、地獄での一時はどうだった?楽しかった?」

「地獄だったさ…俺から力を奪った挙げ句取るに足らないはずの連中の幻影に叩きのめされると言う屈辱を味わい続けてな…!この俺にとってどれ程の屈辱だったか貴様には分からんだろう…!」

「知らないね、私からすればお前の地獄生活なんて知ったことじゃない…それにしても閻魔大王様も温いことで、もっとキッツい罰を与えればいいのにさ」

「今度は奇跡は起こらんぞ!覚悟…」

「覚悟?お前がしなよっ!!」

凶悪な笑みを浮かべたまま一瞬で距離を詰めて超究極界王拳を発動し、そのまま零距離超ギャリック砲を繰り出す悟林。

突き出した手のひらがモロの胴体をぶち抜き、エネルギーを解放してモロを消滅させた。

「はい、お終い」

「あっさりと片付けやがって…」

オレンジピッコロになる暇もなかった。

当然と言えば当然だ。

悟林はモロを倒した後でも修行を怠らなかった。

つまりモロを倒した時よりも遥かにパワーアップしており、悟林が殺した時よりもパワーダウンしているモロに負ける道理はない。

「一度倒した相手に負ける程落ちぶれてないからね。」

「ふん、流石は俺の弟子だ…地上を俺達が受け持って正解だったな…あいつらに消耗を抑えながら闘うことが出来るとは思えん」

「うーん、最近の2人はペース配分に気を付けるように言ってるから大丈夫だと思うけど悟飯はねぇ」

すぐに腑抜ける悟飯にちゃんとしたペース配分が出来るのかと思うとかなり疑問だ。

「ハックションッ!!風邪でも引いたかな…これだけ攻撃してるのに傷一つ付かないや…どうしよう…」

一方の閻魔界では悟飯は結界を壊そうとしているものの、肝心の結界には傷一つ付けられなかったのである。

『おい!お前それでも孫悟空の息子で孫悟林の弟か!?サボっとらんで早く何とかせい!!』

「は、はい!で、でも…どうすれば…あの時の変身は出来ないし……変身出来るように修行すれば良かった…」

ビースト…獣化の変身は全く出来ない悟飯なのであった。

一方、ジャネンバを追い掛けた2人はと言うと。

「ひゃああっ!あいつ小さい分身出したよ!」

「魔法使いみたいなことも出来るのか、油断するなよ悟天!!」

ジャネンバ本体と比べて小さいがそれでも充分巨体の部類に入るミニジャネンバ。

トランクスと悟天に襲い掛かり、何体ものミニジャネンバが攻撃してくる。

最初はかわしていたが、あまりの数にかわしきれなくなり、2人は超サイヤ人2に変身して一気に薙ぎ払った。

「ジャネンバ…」

タコ殴りにしようとしていた2人に自分の分身達を蹴散らされたジャネンバは呆然としていたが、次の瞬間上空の玉を2人に超能力で落とした。

「うわっ!?」

「ま、不味い!」

生き埋めにされた2人は何とか脱出しようとするが、それよりも速くジャネンバが突撃してきた。

「「うわああああっ!?」」

ジャネンバの巨体によって吹き飛ばされた2人は空中で何とか体勢を立て直すとジャネンバに向かっていくが、ジャネンバは巨体に見合わない軽やかな動きで一回転しながら2人を蹴り飛ばした。

「ホッ!!」

「「ん?ぐあっ!」」

空間に穴を開け、突き出した拳は2人の真横で炸裂する。

防御もしていなかった2人は勢い良く吹き飛ばされ、ジャネンバは追撃で空間に穴を開けて間合いも関係ない拳を叩き込み続けた。

そして最後の張り手で2人を地面に叩き付ける。

「悟天!」

「行くよ!」

起き上がった2人はかめはめ波を放つが、ジャネンバは手のひらに2人の偽者を作り出すとかめはめ波を撃たせた。

「「え!?」」

押し返されたかめはめ波の直撃を受ける2人。

それを見たジャネンバが笑う。

「ぐっ…くそ…ふざけた見た目なのに何て奴だ…」

「ひ、久しぶりに…滅茶苦茶頭に来たぞ…!トランクス君!ウルトラ超サイヤ人でやっちゃおうよ!!」

「そうだな…このままだとやられてしまうしな…フルパワーでやるぞ!」

2人はドラゴンボールの願いで引き出された力を解放する。

超サイヤ人2ドラゴンボール強化。

アップグレードしたドラゴンボールの力によって潜在能力の引き出しと変身の強化を同時に行う変身。

超サイヤ人2に潜在能力解放とドラゴンボールによる強化を掛け合わせた物。

2人の基本戦闘力はまだ未熟なので父親達の超サイヤ人ブルーには及ばないが隔絶としたパワーアップを果たす。

「ジャネンバ!!」

ジャネンバが先程の再現のように空間に穴を開けて拳を突き出すが、フルパワーの2人は即座に反応して拳に気弾をぶつけてジャネンバを転倒させる。

「悟天、俺は今から気を溜めるからその間は任せた。」

「OK!OK!さっきのお返しだ!!」

倒れているジャネンバに猛攻を仕掛ける悟天。

大量の気弾を叩き込み続け、その隙にトランクスは両腕を広げた。

実際に教わったわけではないが、この技を使う2人の姿を良く見ている。

金と橙のオーラと金色のスパークを迸らせながら気を高め突き出した両手に気を溜める。

手のひらに凄まじいエネルギーが集中していく。

「うおりゃあああっ!!」

特大の気弾を作り、そのまま叩き落とす。

「ジャネンバーーーーッ!!」

気弾を受けたジャネンバが絶叫する。

「悟天、離れてろ!これでお終いだ!ファイナルフラッシュッ!!」

極限まで高めた気功波がジャネンバに直撃した。

「でやあああっ!!」

一方閻魔界では魔貫光殺砲を結界にぶちこむが、やはりエネルギーを吸収されて無駄に終わる。

「はあ…っ、はあ…っ…トランクスと悟天、派手にやってるな…それにしてもこの技すら駄目なんて…こんな結界どうすればいいんだよ“姉さんの馬鹿”っ!!」

自分を放置していった姉の悪口を叫ぶと結界が砕けた。

「え!?……悪口を言ったら砕け散った…もしかしてこれって悪口に弱いのかな…?えーーっと、“馬鹿”っ!“下手くそ”っ!“おたんこなす”っ!“唐変木”っ!!“姉さんの鬼”っ!!……他にないかな?この結界を刺激する言葉は…?」

次の瞬間、大きな音を立てて結界は砕けたのであった。

そして現世では死人が現れたことで街中が大パニックになっており、警察官のクリリンは当然として騒ぎを聞き付けた天津飯や餃子、更にヤムチャまで参戦して奮戦していた。

「こいつらって確か歴史の教科書で見たことあるな」

爆走する軍隊を指差しながらヤムチャが呟く。

「え?ヤムチャさん、学校通ってたの?」

「ああ、昔ブルマと一緒にな…ある意味教科書でしか見れない奴らを見れる滅多にない機会だよな。悟飯がいたら喜ぶんじゃないかこれ?」

「残念、悟飯ちゃんは閻魔界で1人コツコツと結界を壊してるよヤムチャさん。そうだねぇ、歴史の偉人がいたら教えてあげようかな」

「悟林ちゃん、前から思ってたけど悟飯のこと嫌いなのか?」

「嫌いじゃないよ?弄ってて楽しいけど…本当に少しくらいは頼もしくなって欲しいんだけどね…何だろう、正直何か任せたら何かやらかしそうで怖いんだよねあの子…」

悟林が悟飯を信じきれないのは悟飯の肝心な時に大ポカをやからすのが大きい。

それならいっそ何かやらかしても被害の無さそうな作業を押し付けて自分達が片付けた方が気が楽だ。

昔はもう少し信じられたはずなのにどうしてこうなったんだろうかと、深い溜め息を吐くのであった。

そして場所は閻魔界に戻り、悟飯は必死に少ないレパートリーの悪口を言っていた。

「“姉さんのアホ”ッ!“姉さんの理不尽”っ!“姉さんのボサボサ髪”っ!“姉さんのでしゃばり”っ!!」

姉への不満シリーズで何とか凌いでいた悟飯だったが、もう悪口のネタが尽きてしまい、頭を抱えることになる。

「え、えーっと…何も思い浮かばない…どうしよう?そもそもこれが姉さんにバレたら殺される…」

「何、あんたこんなとこで頭抱えてんだい?」

「うわっ!?姉さん…?す、すみません姉さん!こ、これには理由が…」

振り返るとそこには悟林の顔が。

聞かれていたと思った悟飯は即座に頭を下げた。

「は、はあっ!?ちょ、あんた…あたしはその、あんたの姉さんじゃ…」

「すみませんすみませんすみません!!」

悟林に似た女性が慌てるが、悟飯は謝罪を繰り返すだけで女性が困り果てているところを1人の男性が頭に拳骨を入れた。

「てめえ、それでもサイヤ人の男か。情けねえ」

「え…?父さん…?」

「どうも情けねえところはラディッツに似たらしいな。てめえはフリーザに挑んだカカロットの息子だろ。だったらもっとしっかりしやがれ」

見上げると悟空にそっくりな顔立ちをした頬に傷のある男が呆れた顔で悟飯を見下ろしていた。 
 

 
後書き
何でこの2人が閻魔界にいるのかと言うと自由になったけど暴れるつもりはなく適当にブラブラしてたら孫発見 
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