| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百二十七話 華雄、よい水着を着るのことその九

「それがはっきりと出る水着にすればいいわね」
「そうか。では具体的にはどうした水着だ」
「ビキニもいいけれど」
「それよりもか」
「そう。将軍の場合は」
 華雄の身体を上から下までまじまじと見ながら話していく。
「そうね。競泳水着がいいかしら」
「競泳水着!?だがそれは」
「目立たないっていうの?」
「オーソドックスではないのか?」
 あちらの世界の面々に教えられた言葉を出す。実はスタイルやそうした言葉もそうだったりする。
「あまりにも」
「それがいいのよ」
「オーソドックスでもか?」
「だから。競泳水着はスタイルが完全に出るじゃない」
「そうだな。そういえばな」
「それがいいのよ」
 そのものズバリといった口調でだ。賈駆は言った。
「華雄のスタイルが出るからね」
「だからか。競泳水着か」
「そうよ。競泳水着よ」
 まさにそれだというのだ。
「わかったわね。それじゃあ」
「よし、わかった」
 華雄も頷きだ。そのうえでだった。
 彼女は賈駆が選んだだ。その競泳水着を試着してみた。それはダークパープルに所々白や青が入ったものだった。その水着姿で試着室を出るとだ。
 まずはだ。張遼が口笛を吹いてから言った。
「ええなあ、いけるで」
「そうか。似合っているか」
「結構以上にな。ええで」
 こう華雄に言うのである。
「やっぱりあんたスタイルええわ」
「そうか。似合っているなら何よりだ」
「それで何であの、何ていうたかな」
 張遼はあの男の名前をだ。何故か言ってしまった。
「ほら、北郷とか言ったあれや」
「何処かで聞いた名前だな」
「そうね」
 その名前を聞いてだ。華雄と賈駆も言う。
「しかし。こちらの世界には来ていない筈だ」
「とはいっても何処か別の世界で会った記憶はあるけれど」
「うちもや。まあとにかく華雄はあいつとは絡んでなかったな」
「その様だな。最後までな」
 自分で言う華雄だった。
「そうしたことはなかった」
「そやな。不思議なこっちゃ」
「だが。それでもか」
「ああ、あんたのスタイルはええで」
 そのことについては太鼓判を押す張遼だった。
「それで泳ぎに行ったら注目の的や」
「だといいのだがな」
 華雄も張遼のその言葉に笑みになる。そうしてだった。
 彼女は競泳水着に決めた。そのうえで店を出ようとする。しかしだ。
 ここでだ。彼等の前にだ。華陀が出て来たのだった。その彼と会いだ。賈駆は顔を曇らせて言った。
「まさかと思うけれど。あんたがいるってことは」
「あの二人か?」
「来てるの?このお店に」
「いや、二人は着ていない」
 そうだとだ。華陀は賈駆に話す。
「俺は泳がないが少しな」
「少しって?」
「店の店長に呼ばれて薬を渡しに着ていた」
「それでお店にいるの」
「そうだ。強精薬をな」
 それを届けに来たというのだ。
「店長に渡したんだ」
「強精薬って」
「蝮に大蒜にだ」
 華陀は微笑みその薬の成分を話しはじめる。
「すっぽんに高句麗人参だ。鰻も入れている」
「何か聞いただけで夜寝られなくなりそうね」
「凄いぞ。一粒飲んだら一晩眠らなくていい位だ」
 そこまでのものだと話す華陀だった。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧