| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

報い

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四章

「もういじめはされないですか」
「もうしないです」
 四人は如月に声を一つにして答えた。
「今地獄です」
「スマホは抗議のメールやラインが止まらないです」
「家にも抗議の電話が殺到して」
「外歩いたらいじめのこと言われて石まで投げられて」
「学校では吊し上げです」
「お父さんもお母さんもお仕事クビになって」
「兄弟まで言われて」
 四人共泣きながら現状を話した。
「裁判も言われてますし」
「退学になりそうです」
「もう何処も歩けないです」
「そんな状況です」
「あんなこと二度としません」
「いじめなんてしないです」
「こんな目に遭うんですから」 
 こう言うのだった、そしてだった。
 四人は泣いたままだ、如月にさらに話した。
「今本当に辛いです」
「生き地獄ですよ」
「城崎さんが助けてくれるなら」
「神様みたいです」
「そう思われるなら」
 いじめを二度としない、そう反省するならというのだ。
「私に任せて下さい。退学は避けられないと思いますが」
「やっぱりですか」
「退学ですか」
「そうなりますか」
「ですが被害者のご家族は被害者の方が命に別条はないので」
 その為にというのだ。
「幸いです」
「訴えられないですか」
「そうですか」
「私達は」
「はい、ただ慰謝料はです」
 これはというのだ。
「払うことになりました、そして謝罪も受けてくれました」
「そうですか」
「赦してもらったんですね」
「慰謝料は支払っても」
「裁判にならないで」
「皆さんの親御さん達の就職支援もさせてもらいます」
 如月は裁判等の話を聞いて胸を撫で下ろした四人にさらに話した。
「皆さんがしたことには関係ないことなので」
「お父さん達がクビになったことは」
「そのことはですか」
「はい、ですがいじめが明らかになりますと」
 その時はというのだ。
「ご家族にもです」
「迷惑が及ぶんですね」
「その時は」
「こうして」
「そうです、そのことはです」
 くれぐれもというのだ。
「ご理解下さい」
「よくわかりました」
「痛い位に」
 四人は如月に沈痛な顔で答えた。
「お父さんもお母さんも困って」
「お家も滅茶苦茶になって」
「兄弟姉妹にまで迷惑がかかって」
「お家の中も滅茶苦茶になりました」
「これが悪事を犯すということでして」
 如月は真面目な顔のままさらに話した。
「いじめもです」
「犯罪ですよね」
「立派な傷害罪、恐喝罪で」
「暴行罪ですね」
「それになりますね」
「はい、ですから」
 その為にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧