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オズのボームさん

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第一幕その九

「キリスト教も存在していて昔はオズの国のキリスト教は」
「アメリカが反映されるので」
「プロテスタントが主流だったんですね」
「ボームさんが外の世界におられた頃も」
「そうだったんですね」
「あの頃は」
「そうだよ、けれど今はカトリックの人も増えて」
 オズの国のキリスト教を信じる人はです。
「正教の人もいるね」
「そうですよね」
「イコンも見ますし」
「それで正教の教会もあって」
「皆参拝していますね」
「聖職者の人達もいますし」
「そうなったんだ、オズの国は変わったよ」 
 ボームさんはまたこう言いました。
「お伽の国のままでね」
「そう、お伽の国であることは変わっていないよ」
 魔法使いも言ってきました。
「オズの国はね」
「そのことは変わらないですね」
「絶対にね」
 魔法使いは神宝に日本酒を飲みながら答えます。
「魔法はずっと存在し続けるよ」
「そこは変わらないですね」
「色々な人がいて色々な場所がある」
「不思議に満ちていることはですね」
「変わらないよ」
 このことはというのです。
「絶対にね」
「そうなんですね」
「お伽の国だからね」
 それ故にというのです。
「このことはね」
「変わらないですね」
「永遠にね」
「そのうえで変わっていくんですね」
「オズの国は徐々にね」
 まさにというのです。
「変わっていっていくんだ」
「お伽の国のまま」
「そうなっていくんだ」
「それがオズの国なんですね」
「だからこそ素敵な国なんだ」
「そうですよね」
「あらゆるところに不思議があるからね」
 それでというのです。
「本当にね」
「僕はこの国を知って幸せだよ」
 心からです、ボームさんは言いました。
「今もそう思うよ、そしてこの国に来られて」
「それで、ですね」
「尚更幸せだよ」
「じゃあ今はずっと」
「そう、幸せを感じない時はないよ」
 オズの国に来てからはというのです。
「外の世界にいた時の最後はね」
「その時はですね」
「確かオズの国に行けるって言われましたね」
「そうでしたね」
「まさにその時に」
「それでこの国に来られたんでしたね」
「そうだったんだ、あの時目を閉じてね」
 一旦そうしてとです、ボームさんは海老を食べながら神宝達五人にお話しました。その時のことを思い出しながら。
「目を開いたら」
「その時にだったんですね」
「オズの国に来られていたんですね」
「この国に」
「本当に来られたんですね」
「そうだったんですね」
「そうだよ、そして今もだよ」
 まさにというのです。
「この国にいるんだ」
「私達皆で待っていたの」
 オズマは帆立を食べながらにこりと笑って言いました。
「ボームさんがこの国に来ることを」
「そう言ってもらって何よりでした」 
 ボームさんもオズマにお顔を向けて答えます。 
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