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星河の覇皇

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第八十二部第一章 打たない先手その八

「実はサハラのことも話したけれど」
「あの地域は今」
「ええ、オムダーマンが勝ったわね」
「そうなりましたね」
「随分と大きな勝利ね」
「国境を全て破り進撃に入ったとか」
「それを聞いたけれど」
 それはと言うのだった。
「これでオムダーマンの勝利かしら」
「そうなるでしょうか」
「その可能性は高くなったわね、けれどね」
「国境を突破されてもですね」
「そして大きな損害を出してもね」
 例えそうなってもというのだ。
「最終的に勝利を収めた事例もあるし」
「だからですか」
「私はあの戦争をよく見ていないのよ」
 伊東はここでこうも言った。
「日本に関係あるかというと」
「殆どですね」
「ないからね」
 だからだというのだ。
「もっと言えば連合各国にはね」
「さしてですね」
「関係ないわね」
「その通りですね」
 スタッフも伊東にこう答えた。
「あの地域のことは」
「中央政府は国防のことがあるけれど」
「あとはサハラの隣接国ですね」
「こうした国はあっても」
「それでもですね」
「難民が出ないとね」
 そうでない限りはというのだ。
「国境を接している国々もね」
「数ヶ国ありますが」
「これといってね」
「難民が出るかどうかですね」
「難民が出ないとね」
 それならというのだ。
「別にね」
「これといってですね」
「気にしなくていいから」
「貿易も殆どしていなくて」
「連合としてはね、しかも」
 ここでこうも言ったのだった。
「その数ヶ国は貿易をしても」
「それでもね」
「その国々から見てもサハラとの貿易額は」
「僅かで」
「なくても困らない」
「まことにそれだけの額なので」
「そうしたものでね」
 伊東はスタッフに話した。
「あまりね」
「気にしなくていいですね」
「そうしたものよ」
 あくまでというのだ。
「本当に」
「連合とサハラはそこまで疎遠ですね」
「ええ、そうした相手だから」
「総理もですね」
「これといってね」
「意識されていなくて」
「戦局もね」
 それもというのだ。
「見ていないわ」
「それよりもですね」
「連合各国と中央政府の状況を見てね」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「政治のことをお考えですね」
「そうしているから」
 だからだというのだ。 
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