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星河の覇皇

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第八十一部第五章 総攻撃へその四十二

「続く、だからな」
「勝利に喜んでも」
「浮かれてはな」
「それは、ですね」
「困るな、では国家元首としてな」
「その喜びをですね」
「戒めるのもよくない」
 それで水をかける様なことを行うのもというのだ。
「私も好まない、それよりもだ」
「この場合は」
「こう言おう、喜ぶのは後だ」
「戦争が終わった時ですか」
「勝利でな、その時までだ」
 こう言うのだった。
「喜びは取っておくことだとな、そして勝った時は」
「まさにですね」
「喜びそしてだ」
「そのうえで、ですね」
「ワインもな」
 これもというのだ。
「ふんだんに飲むべきだ」
「勝利の美酒もですね」
「堪能すべきだ」
「だからですね」
「今はな」
 あくまでというのだ。
「自重する様にな」
「国民に伝えますか」
「勝利に喜ぶのは当然だ」
 人として、というのだ。
「それはな、しかしな」
「それは、ですね」
「勝ってからだ、もっと言えば私はだ」
「閣下はですか」
「勝って兜の緒をと言うな」
「勝った時こそですね」
「油断するなとな」
 その様にというのだ。
「言われるがな」
「軍を率いるならですか」
「勝った時こそな」
「油断は出来ないですか」
「そうだ、しかし国民はな」
 彼等はというのだ。
「当然のことだ」
「勝利のことに喜ぶことは」
「それはな、だが」
「それでもですね」
「問題は機だ」
 この時だというのだ。
「戦争が終わっていないのに浮かれてはな」
「ならないですね」
「それは終わった時だ」
「それも勝利で」
「そうすべきだからな」
 それでというのだ。
「今はだ」
「自重する様にとです」
「国民に伝える、そして」
 さらにと言うのだった。
「私は必ずだ」
「その喜びをですね」
「国民に伝える、サハラはだ」
「閣下の手によって」
「統一する、そして千年の戦乱はだ」
 あまりもの長きに渡ったそれはというのだ。
「終わりだ」
「その後はですね」
「戦乱もだ」
 これがというのだ。
「平和になる」
「千年の戦乱がですか」
「泰平になる様にな」
「このサハラをされますか」
「そうだ、だが」
「だが、ですか」
「人類の戦乱は減ったという」
 アッディーンはここでこうも言った。 
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