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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第五百七話 和歌山の馳走その十一

「それがし悲しくなってきたでござるよ」
「人の服のセンスでそうなるのか」
「そうなったでござるよ」
 氷室本人に答えた。
「そうなったでござるよ」
「そうなのか」
「氷室殿は常にスーツがいいでござる」
 本人にこうアドバイスした。
「スタイルはいいからそれが一番でござる」
「あれは仕事着で制服の様なものだが」
「ならずっと制服でいるでござるよ」 
 こうも言うのだった。
「それなら問題ないでござる」
「言われるものだな」
「誰でも言うわよ」
 葉月クルミも言う、それも呆れた目で。
「氷室さんのセンスには」
「理解してもらえなくて残念だ」
「本当にいつもスーツがいいわ」
「味気ないな」
「けれど本当に駄目過ぎるからね」
「着物はどうじゃ」
 寧音がアドバイスを出した。
「紋付羽織袴じゃ」
「その服装か」
「もういつも様になっておってな」
 そうしてというのだ。
「誰にも言われんぞ、その浴衣より遥かによいぞ」
「だからか」
「その服でな」 
 紋付羽織袴でというのだ。
「行ったらどうじゃ」
「いいな」
 氷室は寧音の言葉に乗り気で応えた、顔にもそれが出ている。
「では俺はこれから仕事の時以外はだ」
「紋付羽織り袴か」
「それでいこう」
「やはりお主センスないのう」
「提案したのは君だぞ」
「そこで真に受けるものか」
 呆れた顔と声でだ、寧音は返事をした。
「どれだけ目立つと思っておる」
「しかし君も着物だ」
「普通の着物じゃ、紋付羽織袴は正装じゃぞ」
「日本のな」
「それでいつも通すのか」
「駄目か」
「では氷室さんは日常的にモーニングを着るのか」
 寧音はさらに本気になって問うた。
「白のウェディングの時のタキシードも」
「どちらもいいな」
「これは駄目じゃ」
 遂にここで匙を投げた。
「氷室さんのセンスはな」
「一体何が悪い」
「悪いと気付いておらんところが悪い」 
 最早その時点でというのだ。
「ここまで服のセンスが悪い者は見たことがないぞ」
「そういえば私達皆制服いいのです」
 ラナはここでこのことに気付いた。
「お洒落な学校ばかりです」
「特に女の子はそうだな」
「そうよね」
 由紀えは絵馬の言葉に頷いた。
「私達の学校だってね」
「特にお前がな」
「そんなこと言ったら駄目よ」
「何かこの腹話術も慣れたでござるな」
 ユキカゼが聞いてもだ。
「お二人で話している様でござる」
「実際にそうだぞ」
「私達は別々ですよ」
 由紀江はもう誰もがわかっているがここでも別々に返した。 
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